プレジデント誌に掲載されていた記事によると、締め切りを守れない人と肥満との間には明確な相関関係があるということだ。


世の中には、長期的な行動計画を持っているにも拘わらず、それと対立する目先の欲求に打ち勝つことが出来ず、目先の欲求を優先させてしまう人間がいる。

言い換えると、目先の短期的な誘惑に弱く、将来のことは逆に割り引いて考えてしまいがちな人間ということである。


その人間の行動を表す言葉が「双曲割引」である。


この性質が強い人の場合、常に苦しい仕事を先送りする傾向が見られ、その結果、「締め切りを守れない」ことになってしまう。


さらにこの双曲割引の傾向が強い人間ほど肥満傾向にあったり、過剰債務に苦しむ確率も高いという調査結果もあるそうだ。


ということは、仕事の集中力が持続できなくなると、「ちょっと外出・・・」などと言って、喫茶店でコーヒー&ケーキを食している私はまさに「双曲割引」傾向が強いようだ



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「双曲割引」~なぜ締め切りを守れない人は肥満リスクが高いのか

■『イソップ童話』でも説かれている弊害

 最近、どんどんメタボな体になってきた。もし肥満を解消するなら、適度な運動をしつつ、甘いものや高カロリーな食事を制限することが必要となる。しかし、目の前には大好物のケーキが置かれてしまっている。
「どれだけ太ってもかまわないから、私はケーキを食べる」
 そう考えてケーキを食べてしまう人は、時間割引率の高い人だ。スマートな体(将来的な利益)を犠牲にすると知りながら、ケーキ(目先の満足)を好んで選ぶタイプである。
 しかし、次のように考えた人の場合は少々違ってくる。
「将来スマートになりたいから今日から甘いものを断つ計画を立てていたが、やっぱり今日だけはケーキを食べて、ダイエットは来月からにしよう」
 最終的にケーキを取ったという結論は同じだが、このタイプはもともと目先の満足を見送って将来の利益の方をとりたいと思っていた点で違う。ただ、そのように計画を立ててもいざ決行日が近づいてくると、結局、目先の利益を優先してしまう。これは、「双曲割引」という性質が災いしているからだ。

 この性質が強い人の場合、常に苦しい仕事を先送りする傾向が見られる。例えば、5年後に管理職に昇進したければ、それまでに必要な資格や昇進の準備をしなければならない。そこでとりあえずできそうな来週からの計画を立てるが、週末になると目の前の楽な雑用を口実にして、やっぱり来月からに。どうでもよい雑用ばかりが片付いて肝心の昇進試験は……。
 こんなふうに、やるべきことがどんどん先延ばしされ、結局将来に描く自分と現実の自分が大きく乖離してしまう。いわば目先のことを考える自分と遠い将来を考える自分の間に対立が起こり、長期的な視点に立って積み上げられていくはずの計画が、時間の経過とともになし崩し的に反故にされる。単に目先のために将来を犠牲にするのではなく、その行動が長期的な「自分」の意に反して行われるのが双曲割引だ。双曲割引は自らの長期的な利益を損なうよからぬ事態を引き起こす。
 イソップ童話の「金の卵を産むガチョウ」という物語は、まさにこの弊害を説いている。ある男が、毎朝金の卵を産むガチョウを飼っていて金持ちになる。しかしそのうち、欲を出した男はガチョウの中に金の塊があると思い、ガチョウの腹を裂く。しかしそこには何もなく、男は富を失う。古くから人は双曲割引が引き起こす弊害に気づいていたと思われる。

 時間割引に関する実験から双曲割引という現象を発見したイスラエル・テンプル大学のジョージ・エインズリー教授は、こうした選択を「自滅的な選択」と呼んでいる。
 時間割引の研究では、将来の価値がその時間的な遅れに応じて指数的に割り引かれると考えられていた。しかし、実験を重ねるうち、直近の価値のほうが、遠い将来の価値よりも割引率が高くなる現象が見られた。これをグラフで表すと双曲線になることから双曲割引と呼ばれる。

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 この概念を描いたのが、「エインズリーの木」である。遠く(将来)に見える高いビル(大きな目標)と木(近くの小さな満足)を比較すると、ビルのほうが大きく見える。しかし、すぐそばに行くほど、目の前の木がビルよりも大きく見えてしまう。
 冒頭のダイエットのケースで言えば、遠くの高いビルはスマートな自分、木はケーキである(図参照)。ダイエットを計画した1カ月前の時点では、スマートな自分はケーキよりずっと大きく、魅力的に見える。しかし、ダイエットを開始する予定日の前日になると、ケーキはスマートな自分よりはるかに大きく見える。結局、ケーキの誘惑に勝てず、ダイエットを先送りすることになってしまう。
 現実に、双曲割引傾向の強い人ほど肥満傾向にあるという調査結果がある。過剰負債に苦しむ確率も高いという結果もある。締め切りを守れず、仕事を先送りする人は、要注意である。

 米国で行われた次の心理学実験は、あまりの結果に同僚の間でもよく話題になる。学齢前の平均4歳の子供一人ひとりに、まず実験者がマシュマロを一つ見せてこう説明する。
「マシュマロを今食べてもいいけど、私が戻ってくるまで我慢できたら、もう一つあげる」
 実験者が部屋を出た後、子供たちがどれだけ待てたかを測る(平均約6分)。10年後、同じ被験者で再び調査を行ったところ、驚くべきことに、過去の実験で長く待てた子ほど学力やストレス耐性、問題処理能力といった能力が全体的に高かったのだ。
 マシュマロを待てるかどうかは、単に時間割引の高低だけでなく、目前の衝動的な欲望をコントロールできるかどうかという点で双曲割引の強さにも大きく依存すると考えられる。
 双曲傾向の個人差は、親の教育などにも依存して、ごく幼い頃からかなり顕著に表れていると想像される。そしてそれは大人になってからの学業や仕事、生活にも影響を及ぼす。
 では、双曲割引の弊害に立ち向かうにはどうすればよいのか。まずは、自制心(セルフコントロール)と意志を養成することだ。双曲の心理的なメカニズムをよく理解しそれを織り込んだ計画を立てる。まずは1カ月後の「自分」が勝手に計画を変えるかもしれないと知ることだ。

■「自制心」はハトでも持っている

 自制に関しては、米国・南コネティカット州立大学のマズール教授らが4羽のハトを使っておもしろい実験を行っている。
 最初、同じ遅れを伴った大小二つのエサから一つを選ばせる。ハトは当然大きいほうを選ぶが、小さいエサの遅れを徐々に小さくしていくことで、遅くとも大きなエサを選ぶ「自制心」をハトに植え付けたのだ。結果、1羽は途中で死んでしまったが、残り3羽は11カ月後の実験でも「自制心」が見られたという。徐々に我慢に慣れることで自制が養成される一例である。

 とはいえ自制は容易なことではないので、自己規制ルールを設けることもいい。その場合、「誕生日でも1年間はケーキを食べない」「クレジットカードは海外旅行以外では持たない」など、できるだけ単純なものにすることだ。複雑すぎると、将来それを破る口実を作りやすい。そして一度破るとそのルールは使いものにならなくなる。
 コミットメント(束縛)手段を使って、ある程度、強制的に自分の手を縛ってしまう手もある。例えば、解約すると手数料が高くつく貯蓄性保険や積立預金、土地など、あえて流動性の低い資産を保有することで、無駄遣いを抑えることができる。

 家庭や学校でのしつけや教育の大きな部分は、どうすれば自制心や束縛手段を使って双曲割引に対処するかを子供たちに教えることに費やされている。
 そして一度実社会に出ると、今度は私たち一人ひとりが双曲割引の下で一生かけてどれだけ大きな山を積み上げることができるかを、あたかもマシュマロ実験のように試されているのかもしれない。

(月刊「プレジテント」掲載)

プロセス・マネジメントという概念はもともと製造業から起こったもので、生産管理の各工程で品質とコストをそれぞれ最適化していくという考え方に基づいている。


近年ではビジネス・プロセス・マネジメントとして、生産工程だけではなく、その他の業務分野でもプロセスを「見える化」し、各プロセスを改善していこうという考え方であったり、ツールであったりというものも一般的になってきているようだ。


私もかって会社の営業部門にこのプロセスマネジメントの考え方を導入して成功した経験がある。


具体的には、営業が商談の成約に至るまでに経るであろうプロセスを一つ一つ抜き出し、それぞれの案件について、そのプロセスをクリアできているかという観点で、商談を管理し、また営業マンの評価を行うというものであった。


例えば営業担当者に課された必要なプロセスは、


①提案中の商品は客先のニーズと合致しているのか?
②ニーズと合致していない部分はリカバリー可能か?
③受注につなげるには何が足りないのか?
④受注に向けた阻害要因は何か?
⑤具体的な導入時期を押さえているのか?
⑥予算規模、商談金額を押さえているのか?
⑦客先は「見込み客」と見做すことができるか?
⑧客先の決裁ラインを把握できているのか?

⑨最終決裁者へはリーチできているのか?


などとし、それぞれの案件について、どこまで把握できているか。

また、各営業担当はそろぞれのプロセスに達した客先を何件持っているか、という管理を行うものであった。


したがって、次に管理職に求められるプロセスは、


・営業マンは現在いくつの案件を進めているのか?
・それぞれの規模はどのぐらいなのか?
・商談は今どんな状態なのか?
・その状態でやるべきことはきちんとできているか?
・押さえるべき情報のうち、どこまで得ることができているのか?
・営業対象は本当に「見込み客」であるのか?
・商談成約の最終交渉を誰にさせると効果的と考えられるか?(担当・部長・役員・社長)


というものであった。


成約は確かに重要であるが、しかしここまできちんと商談が進んできて、役員や社長が登場しても、それでも最後の一押しが出来ずに成約に至らないということは、それはもう営業マンの責任とはいえないと思う。

そう考えて、これらのプロセスをどう達成しているかということを人事評価の基準にも取り入れていた。


実際には、ここまで客先の情報をしっかりと押さえて、それでも成約に至らないというケースはほとんど無かったように記憶している。


この方法を導入するようになってから、営業マンのスケジュールを日報で管理することも止めた。


ここまで数字で管理(時間で管理ではない)されると、営業マンもサボっている暇はなかったと思う。

また、サボるよりもずっと仕事を面白いと思ってくれたようであったし、やりがいも感じてくれていたと思う。


当時、私にこの方法を導入するヒントを与えてくれたのは、この本であった。


ここが変だよ日本の管理職/宋 文洲
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本書は生産性の低い日本のホワイトカラーを改革するためには、業務にプロセスマネジメントを持ち込むべきだと主張している。

宋さん独特の軽妙な語り口は読みやすく、ホワイトカラー(といっても本書でも営業部門を想定して書いているが)に何故プロセスマネジメントが必要か、という点をわかりやすく解説してくれている。


残念なのは、生産性の低い日本企業の例として挙げられている逸話が、おおよそ「植木等の時代?」としか思えないようなステレオタイプの日本企業が登場してしまうことだろうか。


いまどきこんな会社ないんじゃないの?と笑ってしまうような話ばかりである。

しかし、もしかすると本書が書かれた2005年という時代はまだこういう会社ばかりだったのであろうか。

補正予算の執行停止が目標の3兆円に近づいているそうです。


前回の集計時に2.5兆円だったものからさらに0.5兆円近く上乗せしたのですから、相当乱暴なストップをかけることになるのでしょう。


それ自体には不安も大きいのですが、新しい職務に就き、理念と職責を全うしようという意欲については、個人的には大いに評価しています。


ここで頑張る大臣は、人間的には裏表のない人物だと評価できると思います。


さて、そんな中にあって早くも官僚に取り込まれた(というかそもそも初めからそんな強い意欲もなかったのかもしれませんが)大臣もいるようです。



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各省庁別の予算執行停止額と補正予算に対する比率を見て、自治体からの凄まじい返り血を浴びながら大幅な削減を進める国土交通省に比べて、環境省や経済産業省などはその停止割合も絶対額も非常に少ない。(読売新聞 「補正執行停止2・5兆、首相なお上積み指示」 2009.10.6)


いったいどういう理屈でこんなに差が生まれたんだろうと疑問に思っていましたが、どうやら難しい理屈ではなく、単純に大臣、副大臣、政務官の政務三役の「能力」と「意欲」、「官僚への取り込まれ度」によるもののようです。


そのあたりの裏話がダイヤモンドオンラインの『岸博幸のクリエイティブ国富論』では暴露されています。(「誰も書かない補正予算削減の舞台裏 某省庁は政治主導でなくていいのか?」)


この当該省庁がどこなのか、文中では、「K省」とされており、特定は出来ませんが、「補正予算の削減率が一桁であった」とかかれていることから、それに該当する「K」は「経済産業」か「環境」ということになります。


岸氏は旧通産省を経て、慶大教授に転じているので、情報ソースとしても通じているでしょうから、一番怪しいのは経済産業省でしょうか。

文中でも「K省の補正予算をみると、明らかにムダな予算がたくさんあり、もっと削減できたはずです。」と書かれていることから、もともとの補正予算計上額が1兆3000億円の経産省と、1800億円の環境省では、経産省のことを指していると考えるのが、妥当なのでしょう。


では、もう一方の「K」すなわち環境省が問題ないのかと言うとそうでもないような気がします。

削減額61億円、削減率3.3%と額と率のいずれにおいても断トツ最下位なのは環境省です。

同省の小沢大臣は常々「鳩山首相の側近」とも言われる人物ですが、その人のお膝元がこのような状況なのも大いに問題あり、といえると思います。それとも環境分野は目玉ということで「聖域」という考え方なのでしょうか。


いずれにしても執行停止3兆円の最終内容を見る際に、この2つの省については注目して見てみたいと思います。