先週のエントリー で「営業のプロセス・マネジメント」 に関して記しましたが、これはもともとは宋文洲さんの著作からヒントを得たものであります。
宋さんはソフトブレーンという会社を上場させた後、現在は経営の第一線からは退き(?)、著作業やコンサルティング業を行っているようですが、その鋭い洞察力と深い思考力にはいつも感銘を受けております。
ちなみにソフトブレーン社のサイトからは、宋さんのメールマガジンを申し込むことが出来ます。
お金を払ってでも読みたい素晴らしい話が毎回展開されています。ご興味のある方はぜひ申し込みしてみてはどうでしょうか。
さて、今回はそれに対していかにも失敗しそうな営業のプロセス・マネジメント手法を、ダイヤモンドオンラインで発見したので、前回との対比でご紹介したいと思います。
■トップコンサルタントが教える勝てる営業・マーケティング戦略 「営業活動の生産性を向上させる2つの方法」(著:船井総合研究所 戦略コンサルティンググループ)
この記事で紹介されている営業のプロセス・マネジメントのポイントを要約すると次のようになります。
【ポイント】 営業を「質」と「量」で管理する
その方法は、まず営業のプロセスを次の5段階に分類するところから始まります。
・アタックリスト件数 :どれだけ営業先があるか |
そしてこの5段階について、それぞれ質と量を管理していくという方法です。
ここでいう「質」とは5段階があがることを指しています。
つまり、アプローチした中から、提案書の提出に進んだ先が1社あれば、1社の質が上がったと考える、というものになります。
また量については、この5段階のステータスにある顧客数を常に一定割合に保つべしというものです。
おそらくアタックリスト件数を底辺に成約件数に向かってピラミッド型になるのが理想なのでしょう。
そしてステータス毎の量のアンバランスを見つけ、それをもとに営業担当者の苦手なスキルを発見し、改善していくというものです。それが、質と量を管理するということになります。
その方法は全く間違っていません。
この方法での管理でも、いわゆる「出来る営業マン」には全く問題ないと思います。
でも・・・
出来ない営業マンには全く効果がない方法ではないかと思います。
なぜならば、この方法は単に昔からあるノルマ的な発想を細分化しただけに過ぎないからです。
根性論をねちねちと展開する回数が増えるだけの話になってしまうことでしょう。
なぜか?
この方法では、うまくいかない方法、ステータスを上げることが出来ない方法が、実際には分からないからなのです。
営業マンからは上司に対し、日報などでうまくいかない理由が報告されることでしょう。
しかし、それに対する判断は勘でなされ、指導はケースバイケースに陥ってしまうのがせいぜいだと思います。
成果を出すためには、前回のエントリーで上げたような項目 で、本当の意味での案件の「質」を評価していかなくてはならないのです。
もちろんその項目というのは、一律なものではなく、それぞれの企業や業界の実情に合わせた項目を加えたり、減らしたりして一向に構わないのですが、重要なことはその会社の営業を熟知したマネージャーやベテラン営業マンによって考え抜かれて標準化されたモデルとして項目を考えることなのです。
営業マネージャーや現場を熟知した営業マンであれば、成約までに抑えるべきポイントは確実に把握しています。
それをナレッジとして共有することも可能になるのが、本当の営業のプロセスマネジメントだと思います。
もちろん今回のような量の管理(とても量と質の管理とは呼べないので)も必要です。
ですが量の管理だけではとてもうまくいかないというのが、実際のところではないのでしょうか。
さて、ここまでの内容だとこの記事を執筆した船井総研が全然ダメみたいな感じになってしまいますが、決してそんなことはありません。
今回のダイヤモンドオンラインのページを最後まで読むと参考記事として、やはり船井総研が書いた古い記事へのリンクが貼られていました。
ここでは顧客のニーズをつかむための質問プロセスのスキルが紹介されています。
つまり、同社のミスはニーズを掴むための質問プロセスと営業プロセスとを別物と捕らえてしまっていることにあります。
実際に営業で成果を上げるためにはこの2つの組み合わせて管理していく方法が必要だ、ということになのです。