プロセス・マネジメントという概念はもともと製造業から起こったもので、生産管理の各工程で品質とコストをそれぞれ最適化していくという考え方に基づいている。
近年ではビジネス・プロセス・マネジメントとして、生産工程だけではなく、その他の業務分野でもプロセスを「見える化」し、各プロセスを改善していこうという考え方であったり、ツールであったりというものも一般的になってきているようだ。
私もかって会社の営業部門にこのプロセスマネジメントの考え方を導入して成功した経験がある。
具体的には、営業が商談の成約に至るまでに経るであろうプロセスを一つ一つ抜き出し、それぞれの案件について、そのプロセスをクリアできているかという観点で、商談を管理し、また営業マンの評価を行うというものであった。
例えば営業担当者に課された必要なプロセスは、
①提案中の商品は客先のニーズと合致しているのか? ⑨最終決裁者へはリーチできているのか? |
などとし、それぞれの案件について、どこまで把握できているか。
また、各営業担当はそろぞれのプロセスに達した客先を何件持っているか、という管理を行うものであった。
したがって、次に管理職に求められるプロセスは、
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・営業マンは現在いくつの案件を進めているのか? |
というものであった。
成約は確かに重要であるが、しかしここまできちんと商談が進んできて、役員や社長が登場しても、それでも最後の一押しが出来ずに成約に至らないということは、それはもう営業マンの責任とはいえないと思う。
そう考えて、これらのプロセスをどう達成しているかということを人事評価の基準にも取り入れていた。
実際には、ここまで客先の情報をしっかりと押さえて、それでも成約に至らないというケースはほとんど無かったように記憶している。
この方法を導入するようになってから、営業マンのスケジュールを日報で管理することも止めた。
ここまで数字で管理(時間で管理ではない)されると、営業マンもサボっている暇はなかったと思う。
また、サボるよりもずっと仕事を面白いと思ってくれたようであったし、やりがいも感じてくれていたと思う。
当時、私にこの方法を導入するヒントを与えてくれたのは、この本であった。
- ここが変だよ日本の管理職/宋 文洲
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本書は生産性の低い日本のホワイトカラーを改革するためには、業務にプロセスマネジメントを持ち込むべきだと主張している。
宋さん独特の軽妙な語り口は読みやすく、ホワイトカラー(といっても本書でも営業部門を想定して書いているが)に何故プロセスマネジメントが必要か、という点をわかりやすく解説してくれている。
残念なのは、生産性の低い日本企業の例として挙げられている逸話が、おおよそ「植木等の時代?」としか思えないようなステレオタイプの日本企業が登場してしまうことだろうか。
いまどきこんな会社ないんじゃないの?と笑ってしまうような話ばかりである。
しかし、もしかすると本書が書かれた2005年という時代はまだこういう会社ばかりだったのであろうか。