＜まえがき＞
①ブログ漫画【芸人と結婚しました！】
が原作の二次創作小説☆
(※七瀬のブログ友達である漫画家の【ゆうゆう】
こと【カキウチさん】
に捧げます☆)
②原作のブログ漫画【芸人と結婚しました！】
に基づき再構成してます☆
(※人物・団体・出来事、心理描写等、原作漫画を元に再構成してま～す☆)
③原作にないお話は基本的にフィクション☆
(※心情や情景等、原作漫画や現実とは異なる描写を大幅に加筆☆)
④著作権は七瀬及び漫画原作者【カキウチさん】
に帰属☆
(※無断転載は原則禁止ですよ～。どうしてもって時は著者に許可申請をお願いします☆)
以上の事をＯＫな方は、拙い文で恐縮ですが、読んでいって頂けると嬉しいです。
(※小説作成・掲載＆漫画のカット使用を快諾、イラストまで寄稿してくれたゆうゆう、本っっ当にありがとう(≧▽≦)
※目次＆あらすじはコチラ
以下、小説本編始まり始まり～☆
＊＊＊＊＊＊＊＊
原作漫画&イラスト
：【カキウチ ユウコ】
小説著
：【七瀬 夏葵(ななせ なつき)】
小説版【芸人と結婚します！】22
特別編「自転車男」part.6
―――――都内某所、バーガーショップ内。
とある男女が向かい合って座っていた。
「えぇぇ～～っっ！！ふ、フラレたのぉぉおお！！？？」
「フラれたとかいう以前の話ですよ！！！！」
ふいに響き渡った声に、店員がビクリと身を震わせた。
声の主は、店内唯一の客。
眼鏡をかけた一組の身長差カップル（？）だった。
「ちょっ、タカタさん、一体また何でっ！？」
「ううっ、そ、それが……」
身を乗り出して尋ねる背の低い眼鏡の女性と、今にも泣き出しそうな様子でがっくり肩を落とした背の高い細身の男性。
そう。言わずとしれたカッキー＆タカタの二人である。
「……お、俺、彼女相手に……、こ、恋も……始めさせて、もらえんかったん……ですよ……」
グズリと鼻水をすすりながら、タカタはポツポツと事の顛末を話し始めた。
「……というわけでして」
素敵女子【ナミ】との映画館デートの顛末を話し終え、タカタは更にズーンと落ち込んだ様子でガックリと肩を落とした。
「……恋する前に玉砕、ですか……」
あんまりといえばあんまりな結末に、カッキーはふぅ～と大きな溜め息を漏らした。
「……タカタさん、なんかもう、ダメになるスピード加速してってますねぇ」
カッキーが知る限り、タカタの恋はいつも一方通行のまま。
学校関係の女性がほとんどで、どれも友達関係にまでこぎつけるものの、そこから先に進む事は出来ずに終わっていた。
それも、最初は数カ月かけた片思いだったのが、最近では親しくなった途端に地雷を踏んでしまったり、やっとふっきって違う恋に行こうと思った途端に相手が結婚してしまったり。
とどめが、今回の信じられないくらいドラマチックな【自転車男】騒動である。
――――― う～ん、今回は恋愛フラグ立ちまくりだと思ったんだけどなぁ……。
彼女、ナミもタカタに気があるに違いないと思っていた。
思わずふぅ～と大きな溜め息を吐き、カッキーは目の前で酷く落ち込んでいるタカタを見つめた。
「……ところでさ、タカタさん、彼女の事ホントに好きだったの？」
考えてみれば、タカタだって彼女、ナミと会ってからそう日は経っていない。
そこまで落ち込むほど彼女にのめり込む要素があったのだろうか？
疑問に思い尋ねると、タカタはグッと拳を握り、ぷるぷると身体を震わせて口を開いた。
「わ、わかなんないよっっ！！そこまで彼女の事知らないし！！」
「はぁっ！！？？」
「いやっ、だって！大人の女性のフェロモンっていうの！？アレに麻痺したっていうか、クラクラ来て、キューッてなって！！」
ふわりと漂う良い香り。大人の女性特有の柔らかい空気。
抱きしめたら折れるんじゃないかと思うほど細い身体。
おまけにあの反則的な微笑み！！！！
あれにクラリと来ない男ないるのだろうか？
否っ！いるはずがないっっ！！
「香水がファーッと漂って来て、何かもう、俺っっ！！！！」
「わかった！！わかったから落ちついて！！声でかいからっ！！」
カッキーに慌てて制され、タカタはぜぇぜぇと息を切らした。
「カキウチさん！とにかく俺、この半年で心底思ったの！！マジで！！恋してみて！心底思った！！」
何人もの人に恋をして、破れて。失敗を繰り返し、学んだ。
恋は……。
「誰かから想われるのって奇跡だよ！！恋ってホント、奇跡みたいなもんだよ！！」
どんなに好きになろうと、相手がその気になってくれなければ先へは進めない。
恋愛の難しさを力説し、すっかり諦めムードなタカタを前に、カッキーは思わず口を開いた。
「え～～、タカタさん面白いし楽しいし、絶対絶対彼女出来るよ！！」
「彼女欲しいっていうか、今はもう何か……、構われたいっていうか……」
楽しければ十分、というタカタに、カッキーはう～んとうなり声をあげた。
――――― これは、重症だなぁ……。
今回は周りから見ても相当に脈ありっぽい感じだった。
それが、こうもあっさり終わってしまっとあっては、ショックを受けるなと言う方が無理だろう。
――――― どうしたもんかなぁ……。
何を言っていいのか分からず、うつむき考え込んでいたその時だった。
「カッキー！！！！」
ふいに響いたタカタの声に、カッキーは思わずビクッとして顔をあげた。
「な、何？」
「あのさ、マジで今の彼氏、大事にしなよっ！奇跡なんだから！奇跡！！！！」
「えっ！？あ……、う、うん、あ、ありがと……」
乾いた笑いを浮かべるカッキーを前に、タカタが少し心配そうに口を開いた。
「カッキーさ、最近僕とすごく仲良くしてくれてめっちゃ嬉しいけど……。まさか、俺との事で彼氏とケンカしたりしてないよね？」
「してないよっっ！！！！」
即答すると、タカタがホッと息を漏らした。
「良かったぁ～～！それマジで心配してたんだ、実は！！」
自分のせいでカッキーが彼氏とどうこうなるなんて事になったら申し訳なさすぎる。
カッキーには幸せになって欲しい。
タカタはそんな思いで言葉を続けた。
「俺さ、もういいんだ。彼女ナシでも、周りが幸せならさ」
「切ないセリフ！！なんかタカタさんらしくな～い！つまんな～～い！！」
「あんた、俺の成長を少しは喜んで下さいよ！！！！」
コントのような二人のやりとりが、静かな店内に響き渡っていた。
――――――２００９年夏。
【自転車男】タカタの恋物語は、こうして幕を閉じた。
彼女いない歴＝年齢。恋に恋する青年、タカタ。
彼はまだ、知らない。
本当の恋が、どんなものなのか。
運命の出会いに気付くまで、あと、少し……。
＊＊＊＊＊＊＊＊
小説版【芸人と結婚します！】22
特別編「自転車男」
(完)
続きへ⇒【２３】
前回へ⇒【２１】
最初へ⇒【１】
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【カキウチさん】
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本日7/7（木）は更新予定日！！
是非読んでみて下さいね☆
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(※漫画の中の七瀬は実物から美化200%のピグを元にしたイメージイラストですよーｗ)
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