アルコールに強い弱いって言っても
人間のお酒が強い弱いとは違います。
アルコールで死んでしまうか、
アルコールくらいでは死なないか、
という話です。
今回はウイルスの体の構造から、
アルコールに強い弱いを考えます。
まずは人や動物の体の基本になる
細胞の構造から見ていきましょう。
《画像はお借りしました》
核は子孫に伝える遺伝子の保管庫
中心体は細胞分裂の現場監督
ミトコンドリアはエネルギー生産工場（発電所）
リボゾームはたんぱく質合成工場
小胞体は保管・輸送担当
ゴルジ体は濃縮工場
リソソームは廃棄物処理工場
といった働きをしています。
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次に、細菌の構造を見てみましょう。
細菌の大きさは動物細胞の1/10位なので
動物細胞に比べ、中の構造物が少ないです。
細菌の遺伝子は核膜で覆われていないので
明確な核はありませんが、
核様体と呼ばれる遺伝子の集まりがあります。
主な構造物は核様体とリボゾームくらいで、
動物細胞に比べると圧倒的にシンプルです。
遺伝子とたんぱく質合成工場があるので
自分の子孫は自分で作ることができますが、
自分でエネルギーを作ったりできないので、
別な生物に寄生しないと生きていけません。
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ウイルスの構造はどうでしょう？
《画像はお借りしました》
ウイルスは基本的に殻の中に
遺伝子が入っているだけで、
それ以外の構造物はありません。
何しろ、細菌の大きさをリンゴに例えると
ウイルスの大きさはゴマ粒くらいです。
とても小さいので、複雑な構造になれません。
ウイルス＝遺伝子+殻 だけです。
殻の外側にエンベロープと呼ばれる
膜を持つウイルスと
エンベロープのないウイルスの
2種類があります。
上図の左側がエンベロープのないウイルス、
右側がエンベロープのあるウイルスです。
ウイルスの種類によって
エンベロープの有無が決まっています。
エンベロープはウイルスを守る鎧と言えます。
パッと見ると、
鎧のあるウイルスの方が強そうですよね。
実は鎧を持たないウイルスの方が強いのです。
鎧を持たないウイルスは、
中の殻が丈夫です。
人間に例えるとムキムキに鍛え上げた
筋肉を持つ猛者のイメージです。
鎧なんかに頼らなくても強いです
鎧を持つウイルスは鎧に頼っているので、
中のウイルスは貧弱です。
人間に例えると、
ヒョロヒョロのか細い弱虫が
鎧を着て虚勢を張っているイメージです
いま話題のコロナウイルスは
鎧（エンベロープ）を持つ弱虫ウイルスです。
エンベロープは脂質をたくさん含んでいます。
脂質はアルコールや石鹸で壊れてしまいます。
そのため、エンベロープを持つウイルスは
アルコールや石鹸に弱いのです。
《画像はお借りしました》
だから、コロナウイルスの感染予防のためには
アルコールや石鹸手洗いが有効なのです。
ちなみに、
下痢や嘔吐を引き起こすノロウイルスや
犬猫に酷い下痢を起こすパルボウイルスは、
鎧のない猛者ウイルスです。
なので、ロタウイルスやパルボウイルスは
強い塩素や煮沸消毒が必要になります。
コロナウイルスは弱虫ウイルスなので、
皆さんが手洗いなどを行うことは
とても有意義なことです。
不要不急のお出かけは控えて
できるだけ、おうちで過ごし、
どうしてもお出かけしたときは
手洗いをすることで
感染拡大を防ぐことができます。
おうちにいてもダラダラ過ごさす
メリハリのある生活をしましょう。
ゆったりした穏やかな気持ちで過ごすこと、
たくさん寝ること、
そして笑うことにより
免疫力が高まります
たくさん寝て、
たくさん笑って、
未来を信じて、
でも感染予防はしっかりやって、
前向きな気持ちで過ごしてください
