台風被害にあわれた皆様に
心よりお見舞い申し上げます。
今回の台風では
広い範囲で洪水被害に見舞われました。
しかも、また大雨が降っています
これ以上の大雨被害が出ないよう
祈っています
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
洪水の後には、様々な感染症の
危険性が高まります。
今日はその中の一つ、
レプトスピラ症についてのお話です。
私は大学の専攻が微生物学で
夫も微生物の研究者なので
今日はちょっと詳しく書かせていただきます。
レプトスピラ症の原因は
レプトスピラ菌という細菌（バクテリア）です。
レプトスピラ菌は犬だけでなく、
人を含む様々な動物に感染します。
中でも、ネズミがレプトスピラ菌の
運び屋になると言われています。
ネズミなどが排泄した泥の中などに
レプトスピラ菌が潜んでいます。
洪水のとき、レプトスピラ菌が付近一帯に
拡散するため、感染の危険が高まります。
ワンコや飼い主さんが洪水跡地に行かなくても
洪水跡地に行った人の靴に
レプトスピラを含む泥がついて
拡散する恐れもあります。
感染した場合の潜伏期間は
数日～20日程度。
国立感染症研究所WEBサイトによると
イヌの感染初期症状としては, 発熱, 倦怠感, 食欲不振, 嘔吐, 脱水, 出血がみられ, その後, 腎不全, 肝不全に発展し, 治療が遅れれば死に至る疾患である。
また, イヌは血清型Canicolaの保菌動物として知られており, 感染初期だけではなく感染後も長期間無症候のまま, この血清型レプトスピラを腎臓に保菌し尿中に排菌する。
したがって, レプトスピラに感染したイヌはヒトへの感染源となる可能性がある。
犬のレプトスピラ症はワクチンで
予防することができます。
レプトスピラワクチンは副作用が多く
免疫持続期間も短いので
普段、私がレプトスピラワクチンを
お勧めするのは川遊びが多いワンコだけです。
普通の都市生活だけを送っているワンコには
私は基本的にレプトスピラワクチンは
お勧めしていません。
でも、洪水発生地域では
レプトスピラ感染の危険性が
高まっています。
また、特に被災された皆様や
そのワンコさんたちは疲労がたまり、
感染に対する抵抗力が
低下している可能性もあります。
感染してから治療するより予防するほうが
体の受けるダメージが少ないので
ご参考までにレプトスピラワクチンの
情報をお伝えしようと思います。
犬の混合ワクチンには
いくつかの種類があります
《アクサダイレクトWEBサイトより引用》
レプトスピラワクチンが入っているのは
7種以上の混合ワクチンです。
この表にはレプトスピラが
2種類書かれています。
実際にはレプトスピラには
日本国内だけで14種類あると言われています。
ここには8種混合ワクチンまでしか
書かれていませんが、
9種、10種、11種混合ワクチンもあります。
8種以上のワクチンは
レプトスピラの種類が増えていきます。
世界小動物獣医師会ワクチネーションガイドライングループの解説によると、
犬のレプトスピラワクチンを接種すると一度抗体価は上がるが急激に下がり、ワクチン接種して1～２カ月経過すると、すでに抗体が検出できなくなってしまうこともある。
とのことです。
なので、春に8種以上の
混合ワクチンを接種したワンコも
すでにレプトスピラに対する抗体が
なくなっている可能性があります。
7種以下の混合ワクチンを接種したワンコも、
8種以上だけど接種してから
3カ月以上経過しているワンコも、
ご心配であればお近くの動物病院に
お問い合わせください。
ただし、レプトスピラワクチンは
他のワクチンより副作用が多いと
言われているので、
危険性と予防効果をよく考えてください。
分からないときは
お近くの動物病院にご相談ください。
また、レプトスピラは細菌なので
抗生物質で治療できます。
それでも、
重度の腎不全や肝不全になってからでは、
抗生物質で太刀打ちできないこともあります。
洪水発生地域で
ワンコさんの様子が気になるときは
お早めに動物病院を受診してください
人間の皆さまも動物さんたちも、
心身ともに健やかに過ごされるよう
祈っています
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