ある方のブログを読んでいたら、その方のワンコさんがヘルニアかもしれないと心配されていました。
以前にもヘルニアになったことがあり、再発かもしれないとのことです。
しちふくは、心配になったので「鍼灸や漢方という方法もありますよ」とコメントさせていただきました。
その方がコメ返しをしてくださり、「自分が通っている鍼灸院の先生に訊いたら『人間の治療しかできない』と言われました」と書いてありました。
動物の鍼灸治療はまだ認知度が低く、ご存じない方も多いかもしれません。
せっかくの機会なので、皆さんにも知っていただきたいと思います。
①と②は固めの話なので、読み飛ばしていただいてもいいです
固い話が面倒くさい方は③へどうぞ
① 動物の鍼灸治療を許されている人（ちょっと固い法律の話）
獣医師法という法律があります。
獣医師法第17条によると、動物の病気の治療のために鍼灸治療をすることができるのは獣医師だけです。
獣医師法第2条によると、全く病気の無い健康な動物に対して健康増進のために鍼灸をすることは獣医師以外でも可能なようです。
ただし、獣医師以外の者が「獣医鍼灸師」や「動物整体師」など、動物の診療を行うもののような印象を与える名称を用いてはならないそうです。
このような名称がどこまで許されるのか、たとえばセラピストとかヒーラーとか、カタカナ表記はどうなのか、そこまではしちふくには分かりません
いずれにしても、病気の動物の鍼灸治療ができるのは獣医師のみ ということです。
② 動物の鍼灸治療ができる人（資格などの話）
獣医師なら誰でも鍼灸治療の知識があるわけではありません。
獣医系の大学では鍼灸は教えていないと思います。
獣医師は国家資格ですが、動物の鍼灸治療に関して日本国内に国家資格はありません。
鍼灸医学、東洋医学、中医学などを学んだ獣医師が鍼灸治療をしていると思います。
これらの勉強をできるところは国内外にいくつかあります。
動物の鍼灸医学、東洋医学、中医学を学んだ獣医師もいます。
人間の鍼灸師の資格を取って活動されている獣医師もいるようです。
ただし、動物の鍼灸医学は人間の鍼灸医学から派生したものではありません。
動物の鍼灸医学は人間の鍼灸医学とほぼ並行して独自に発展してきました。
記録に残っている最も古い動物の経穴図は6世紀後半～7世紀前半に隋の国で書かれました。
東洋医学の基本は人間も動物も同じですが、診断法や治療穴など動物独自のものもありますから、人間の鍼灸の知識だけでなく動物の鍼灸医学も学ぶ必要があると思います。
ちなみに、しちふくはアメリカ フロリダ州のChi-Institute という獣医師のための東洋医学専門の教育機関で勉強してVeterinary Acupuncturist （獣医鍼灸師）という資格を取りました。
この学校はフロリダ州から認定を受けた卒後教育機関 (Continuing Education provider)です。
アメリカでは医師も獣医師も弁護士も州ごとの資格になります。
州の資格というのが日本の国家資格に相当します。
Chi-Institute は州政府から教育機関として認定されているので、教育内容もしっかりしています。
中医学の経験則を西洋医学的に分析しようという努力もしています。
日本でも東洋医学、鍼灸医学、中医学を学べるところはいくつかあり、年単位でしっかり勉強するところから、数回の研修のみというところまで、様ざまです。
③ 鍼灸治療を行う動物病院の探し方
口コミかネット検索が主になります。
ネットで検索するときの検索ワードは
動物 ・ 犬 ・ 猫 ・ ペット
針治療 ・ 鍼治療 ・ 針灸 ・ 鍼灸 ・ 東洋医学 ・ 漢方
お住まいの地域
などの言葉を組み合わせると良いでしょう。
また、動物の鍼灸治療を行う動物病院のリンク集などもあります。
例えば⇒ 動物鍼灸治療リンク
他にも検索サイトやリンク集があると思うので探してみてください。
鍼灸治療を行っていてもリンク集に載っていない動物病院もあるかもしれません。
お住まいの地域で鍼灸治療を行う動物病院を探したいときは、検索ワードを工夫しながらあきらめずに検索してみてください。
鍼灸治療というとヘルニアや関節炎と思われる方が多いでしょうが、それ以外にも内臓疾患・腫瘍・高齢・介護などさまざまな状態の動物さんが少しでも楽に・穏やかに過ごせるようにサポートできると思います。
少しでも多くの動物たちや飼い主さんたちが穏やかな時を過ごせるように祈っています
コロンと散歩をしていたらタンポポが咲いていました
