触れることのパワー
毎回訪問させて頂くたびに『あんただれっ?』となる、認知症の高齢者の方から…進行性の難病で、呼吸器がついている方。癌、で、末期の方。老衰で、ターミナル期の方、色々なお客様がいらっしゃいます。にんげんは……何らかのきっかけで衰弱が始まると、お薬による緩和とか、そういう領域ではない、別の扉が開いて……体が、『もう何もいらないです』と訴える瞬間があって。『これから準備を始めますから』『邪魔しないでくださいまし』と細胞が話しかけてくると言うかお客様の表情もかわってきて。そんなとき、そんなサインのとき、医師やナースは点滴をストップするべきか医療をどこまで続けるか、意識があるうちにちゃんと、本人と、酸素は外したい?どうしたい?やりたいことは?あいたいひとは?って、やりとりをする。薬もいい、管も酸素もいらない。ベッドで寝かせて。静かにさせて布団もいい、過剰にしないで、そばに居て、って言われる方が多い。そんなとき、あえて、触る。手浴、足浴、洗髪。黙って、てばやく。酸素を拒否して静かな時間の中、石鹸とお湯で手や足を洗い上げて保湿して、ネイルして。すごく濃い時間で疾患は治らないだろうけどお客様の肌の色がピンクになって。ガチガチの頭皮がやわやわになって。きっと手から伝わるもの、気持ちの交流、動かせなくなった筋肉が少し動いて、何かがゆっくり流れていって巡るのだと思うけど触れる、触れてもらう、やっぱりお湯と石鹸で、ちゃんと清潔にするっていう行為は素晴らしいと思うし洗い上げて保湿が終わった皮膚は勝ち誇っているように光ってるから。やっぱり私は、川島みどり先生の、看護はアートとサイエンス、っていう言葉が大好きだしこれからも実践していくと思う。あ、おれもおれのマッサージも、母さんとっても癒やされてます更年期ポヨンポヨン下腹部を揉んでくれてありがとうな。触ってくれてありがとうにゃんこも、にんげんもあったかくて嬉しいんだにゃ