夜になると
一応研修と言うことで
先輩より先に
仕事を上がらさせて貰った。



料理長より下は
完全なる寮制度で
部屋が分かれていた。


バタバタと仕事をして
緊張もあり、
寮部屋をよく見ていなかったが
ふと気になった…

この部屋

やたらごみごみしてるなぁ

狭いというか……


12畳ほどの部屋

部屋の大きさだけ聞くと
広そうだが
…………

先輩方が仕事を終えて来た。

ゾロゾロ……


んんん!!!?  


何人くるんだ?


7人…………


この部屋
8人ですか?!



共同生活どころか、
一人暮らし所もしたこともなかった僕には、

いきなりの8人共同生活は
衝撃的だった…



あぁ~

だから
部屋がベッドだらけで
ごみごみしていたのね…

一人あたり
2畳ないもんね…

そこで
生活ですよ


しかも先輩と
24時間一緒


あんな
ヤンキーみたいな


ヤ○ザみたいな…


あぁ…


イヤだ…

こんな狭い場所で
7人もの先輩に囲まれながら…


あぁ…



想像しただけで
気が滅入る…
前回ブログの
最後に書いた
低音ボイスの落ち着いた「N先輩」。


作業が一段落し、
「N先輩」に
次の作業をするまで
洗い物をするよう
指示された。


しかし、
調理器具の洗い方や
シンクの使い方など
色々と細かいルールがあるよで、、、、、


しばらくしてから
若旦那が
僕のもとへやってきた。







何も言わず、
僕の作業を見つめる若旦那…


心の声「社長が見てるよ……」


ドキドキ……


心の声「何の入社試験だよ??」




若旦那「おい!!」



僕「あッ!
  はい!!!!」



若旦那「お前…その洗い方………

    誰に教わった?」


 

ん???



僕「……あちらの……N先輩です……」




さっきまで、
若旦那がどれだけ
ブチ切れようが
スルーしていた
厨房の料理人
全員が

目だけ
こっちを見ているのに
気づいた……



俺の心の声「なっ!なんなんだ??!!」




若旦那が
N先輩を呼ぶ……



すぐにN先輩はやって来………………た……!!!?

「バチコーーーーン!!」






若旦那のパンチは
見事に
N先輩の顔面へ
クリティカルヒット!!


凄い勢いと
凄い音がした…



だが、
N先輩は
「すみません、すみません」
と誤りながらも、
普通に立っている。


殴られた痕は
しっかり残っているものの、
明らかにダメージを感じさせない貫禄…



心の声「N先輩…
    すげーーーー!!!」


僕なら、
ゆうに1メートルは吹っ飛ばされるような勢いだったのに…



またもや
呆気に取られすぎ、


「これ…演技なんじゃないか?と疑いはじめてきた…」




そうこうしているうちに
N先輩への説教も終わり、

すぐにN先輩がやってきた。


N先輩「オイッ!!
何か、分からないことがあったら、どんなことでも聞けよッ!!」



内容は優しいが…

言い方が…

ヤンキーみたいで

コワッ!!!



僕「はい!!!!
  すみませんでした!」


とにかく
元気に返事をした。


基本的に
高卒や大卒、専門卒の多かった
僕の修行先のお店は、
4月入社が多く
修行に入る前の
12月のお節料理期間に
「研修」なるものが設けられている。

(一応…社会的地位では
「社員」
として認めてくれている…)


入社されて
すぐ辞められるのも
手続きが手間で、
会社からも耐えられるか見られるが…
自身が続けられるかも
見定める「キッカケ」
と、なっている。

(だが、
4月で退職する人も
後を絶たない(笑))
(何のための期間だよ!!)
(まぁ、
理由はハッキリしている。
お節期間で気付かない
今後書いてあることが、
日常茶飯事起こるからだろう…)



僕の場合は、
そのお節研修期間ですら
衝撃の連続であった…

12月23日
世間はクリスマスイブイブ…

東京の築地に
舞い降りた。


人生初の
割烹用白衣を着て
東京でも有名な料理屋の調理場へ…
そこには、、、


ボール、鍋、調味料
綺麗に整頓された調理場



鼻の中をす~と抜ける
香りだけでも分かる
美味しそうな煮物の香り



トントントントン
リズミカルな包丁の音







「バァーーーーーン!!」

「ぱぁーーーん!!」



「???!!!!!」

俺の心の声「ばーん?ぱーん???」

調理場に
感動しているのもつかの間…
爆発音のような
大きい音が…


周りを見渡すと
社長の若旦那が
デッカいボールを
盛り台(厨房のテーブル)に
叩きつけ

一瞬タイミングをおいて
若旦那のすぐ隣にいた
修行の先輩を


殴っていた…


つまり
一発目の
「バーーーン!」
イコール
「ボールを叩きつける音」


2発目の
「ぱーーーん!!」
イコール
「若旦那が思いっ切り、張り手する音」



………………………………………………………………………………………………………………………………




これ……


心の声「まずいですよぉ~!!!!!」
「社長ブチ切れてしまってますよぉ(涙)」

何故だか俺が半泣き…

心の声「誰か止めに行かな……い………と???」


周りの人は
ピクリともせず、
作業を続けている…
 


??????


近くであんな爆音と
ブチ切れてる大人を気にせず
普通に仕事出来ますぅ~((((;゜Д゜))))?????!!!! アワワワワ



「これが…
普通なのか……?」


隣で作業していた先輩が
僕の耳元でボソッと…
「気にするな」
と一言



「………」

「あっ!!はい!!!!」


周りで起きている現象と
先輩の短く重い一言に
呆気にとられて
一瞬返事を忘れてしまった。


若旦那も若旦那で
周りも周りで…

一言言った先輩も
迫力満載すぎる…
この先輩も
ドスの効いた低音ボイスで
落ち着いている


もう、
何十年も居るんだろうな…

そうすると何が起きても慣れてくるのか?
そう思いながら
その先輩の指示に従いながら
作業を続けていた。

後で気付いたが
この先輩は
僕の指導担当だったらしい。