東日本大震災から五年の歳月が経ちました。

多くの方が被災され、多く方が今もなを普通の生活すら出来ない状態です。

僕自身、被災地へ行った事はありません。
ですが、料理組合を通して被災された方へ料理を提供できる機会を頂きました。

食べる人、運ぶ人、作る人…みんかが笑顔になれる『ハッピーレストラン』!!

料理人の作るフルコースの炊き出しは、話ながら笑って…
食べながら笑って…
聞きながら、見ながら笑って…

参加された501名の方ほぼ全員が笑顔になって下さいました。

そんの中、
一人のおじいさんが下を向きながら黙々と食事をしていました。

かなり年配の方で、料理を運ぶ係の人が話しかけても反応があまりなく、
スタッフ中で、『何か怒っているのではないか?』と話していました。

終始、黙々と食事をされた、おじいさんが突然、料理人の方へ歩み寄ってきました。

料理人達も何かお叱りを受けるのか?
と身構えた瞬間…

おじいさんがこう口を開きました。

『…ほんとぉに………ほんとぉにぃ……』

『……ありがとぉ…』

正直、口に合わなくて怒られると思っていた料理人達は

予想外の反応に驚き…
そして笑顔になった。

おじいさんは続けて、

『もぅ、こんな料理人の作る料理なんて食べられずに死ぬと思っていたし、死んで良いと思っていた…』

スタッフの笑顔が一瞬で消えた…

『あんな辛い思いをして、もうこんな年だし、生きる気すら無くなっていた…』

『だが今日、こうやって温かくて心のこもった料理食べたら、生きる気力が湧いて…………………』

その後の言葉は
おじいさんが泣き崩れてしまって、上手く聞き取れなかったが、、、

思いは伝わりました。

こちらこそ、
本当にありがとうございました!
この企画が
料理人の独り善がりにならず、本当に感謝されたのだと感じました。

この経験からも、
『食』の大切さ、食事は空腹を満たすだけの行為では無いのだと
心から感じました。

東日本大震災で
失われたモノは多すぎました。

でも、そこから学び、感じ、次に繋げる事が
今日本人がやるべき事だと思います。

僕は『食』を通して人を幸せにする。

学びに生かせました。

犠牲になった方々のご冥福をお祈り致します。
※医学的?な下ネタも含まれていますので、
苦手な方はご遠慮願います。




ある日の朝…
狂犬N先輩が突然腹痛を訴えだした。


学生時代はストリートファイトに明け暮れていたN先輩…


若旦那やベジーダK先輩の強打も全く効かない
あのN先輩が……


余りにも痛がっていたので声を掛けた。
俺「N先輩?大丈夫ですか?」


N先輩「……え″ッ??…い″でぇーーよ!!(怒)」




…そんな怒って言わなくても…


すると続けてN先輩が
「昼の営業が終わったら、病院連れてってくれ!!」


俺「…あッ…はい…」


まぁ断ることは出来ないし、
昼営業後に病院へ送っていくことにした。




そして営業後
病院へ着くと、、

N先輩「診察終わったら、また連絡するから!」

とだけ言い残し病院へ消えていった。


店へ帰ると…
若旦那達をはじめ、
厨房の先輩達が僕とN先輩を探していた。




若旦那「お前どこ行ってたんだ?」



俺「○○病院ですけど…」


若旦那「何しに??怪我したのか??」


俺「え??僕じゃなくて、N先輩が腹痛で、
まともに動けないくらい痛い!って言っていたので、
送っていっていたんです…」


若旦那「なんで先に報告しないんだよ?!あ″ぁーー?!(怒)」







N先輩は誰にも報告せずに病院へ行ったみたいだ…
あぁ
他人への善意でやったことで怒られる…





若旦那「でッ?! N はどこだよ??(怒)」


俺「え?なので送ってきただけなので…
様態は分かりません。すみません…
また迎えに行きます。」




「プルルルルルルルッ!」


俺の携帯が鳴った!!



俺「N先輩から電話入りました。すみません、ちょっと電話でます…」


俺「もしもし??」


N先輩「あっ?!迎えにきて!」


俺「分かりました。アッ!!腹痛の方はどうだったんですか??」



N先輩「え??あぁー、ヘルニアだってぇー。金玉袋に!!それじゃ!!ブチッ…」



ヘルニア?!
(゜Д゜;)


金玉袋?!!!
((((;゜Д゜))))




俺「えっ?!!N先輩?!N先輩?!」


電話切られた…


若旦那「どうなったんだよ?!(怒)」


俺「えーー…ちょっとよく分からなかったんですけど…
『金玉袋のヘルニア』だそうです!!」





若旦那「………………??はぁーー?!」




俺「僕もよく分からないです…電話切られてしまいまして…」



俺「多分…
ヘルニアって…脱腸する事ですよね??
つまり…
『金玉袋に腸が入った』??
って言うことだと思います…」




若旦那「…つまりどういう事だ!?」




俺「つまり??
えっ?
つまり…普段金玉しか入ってない金玉袋に…
通常入ってはイケない、大腸が入り込んでいるって事だと思います。」




若旦那「訳分からんぞ!絵を書け!」



絵?!?!?

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俺「金玉のですか?」



若旦那「なんで N の金玉の絵を見ないとイケないんだよ!(怒)
Nの金玉袋の状態だよ!!」


俺「…はい!!」




今 はい!!って言ったけど、金玉も金玉袋も変わらないやん!
まぁいい!!




俺「つまり…ここが袋で…」




若旦那「あいつデカいな!!」




俺「…イヤ…これは解りやすいように、一部拡大して説明してます…」




若旦那「そうか!」



そうか!……
じゃないよ!!
この人完全に遊んでる( -_-)o



俺「……それで、
ここに大腸が…

ギュッ!!!

っと入ったんだと思います。」



若旦那「イッ!痛たそーー!!」


俺「何をイメージしているんですか!!」



若旦那「そうか!!
え?でも、どうしてそんな事が起きたの??」




俺「えっ?」



若旦那「本来は金玉で袋はいっぱいだろ??」




俺「だろ?と言われましても…」





…………………………………



ベジーダK先輩がいきなり

「それより、早く迎えに行って本人に確認しろよ!」



若旦那と俺「あぁ!確かに!!」




無知の2人で話していても
らちがあかない。

ただの下ネタトークじゃないか!!(゜Д゜;)


N先輩の電話から15分後…
徒歩10分の病院へ迎えに行った。


店へ戻ったN先輩が
厨房で
『金玉袋ヘルニア』の説明をして

なぜか、爆笑している男衆であった…。


やっぱり男はいくつになっても
下ネタ好きだな…(笑)
お店で修行している人のほとんどが
東京都外の地方出身者である。

北は北海道…
南は九州まで、至る所から修行に来ている。


しかし、
料理長のS先輩は珍しく東京都の北千住の生まれであった。

確かに
地方出身者から見れば、
北千住だろうと世田谷だろうと
東京は東京!!



だが、
北千住は比較的地味な土地で
東京都でも田舎扱いされる土地である。(言い方が悪くてすみません…)


地方出身者にとっては
そんな都内でのイメージなど全く知らない為、

料理長が僕ら地方出身者を怒るとき…


「テ″メェー!!さっさと田舎帰れやッ!!(激怒)」





毎回同じように怒る。


怒られる側としても、
「都会人に言われるなら…」的な感覚で違和感を持たずに怒られていた。


まず、料理長に逆らえる人が居ない……


そんなある日、
誰かが料理長に怒られていた。

そしてお決まりの

「テメェー!!さっさと田舎……」


「帰れぇーー!!」



ん?!!

なんで今料理長噛んだんだ???

調理場の皆が
怒られている様子をそぉ~っと見た…

すると…



怒られる相手が、


同期の慶應ボーイK…

東京都の六本木出身……(笑)


生まれも、育ちも六本木。


そして極めつけに
慶應卒業のエリート(笑)



料理長の北千住とは比べものにならないのは
田舎ものの僕らでも直ぐに気付いた。


周りでボソボソと話し声が聞こえる……

「六本木に田舎ってあるのかな??」


「あいつ、田舎ってどこに帰るんだよ(笑)」


「ってか、築地から地下鉄6駅で帰省とか、ラクな田舎だな(笑)」


「料理長……あれは完全に後に引けなくなって、勢いだけで乗り切ったな!!」


「イヤイヤ、全く乗り切れてないから(笑)」


…………………………………………………



料理長はしばらく
厨房から消えた。




厨房で
初めて料理長に勝った同期Kは
過去の伝説を消し去るぐらいのヒーローとなった!!

※同期Kの過去の伝説とは…
「やっぱりめちゃくちゃ料理の世界…『鉄の鎖』『銀座マック』を参照願います」