一年生の作る惣菜と言うのは
基本的に

「美味しい」

と言われる事はない。



料理の素人が
一流の料理人へ
食事を提供しているのだから、
当たり前と言えば
当たり前である。



その為
一年生は惣菜を作れば作るほど、
モチベーションが下がっていく。





毎年恒例のように
テンションの落ちている一年生を見て、
若旦那が言う決まり文句がある。


修行していた店を
卒業した僕でも
料理人として
なかなか言いにくい
一言である。







若旦那「料理ってのはなぁー、仕上げにゴマ油を垂らせば、何でも旨くなるんだよ!!そう、深く考えすぎるな!!」





どうせ…
どうせ…


となっている一年生には

若旦那から言われる
その一言が
どれだけ嬉しく
救われるか、、、





今回のブログは簡単に書いてあるが
本当に感謝している。
入社一年生は
営業に一切関わらない。




この店に入社する人の多くは
完全な料理素人なのである。


調理専門学校出身者や
料理経験者は
極めて少ない。


そのため
料理の基礎を学ぶ為に
一年生は社員の惣菜を
作って料理を学んでいく。





基本的には
二年生~四年生の先輩に教わるのだが、

たまに料理長や若旦那から
直々に教えていただけることもある。




だが……
店ごとに
魚一つとっても裁き方が違う
と言うことが、よくある。



それ以上に、
料理人
一人一人言うことが違う事も多々ある。


若旦那が言うならば、
それに合わせるのが筋なのだが……



ある日
二年生の空手全国2位の
狂犬N先輩に惣菜を教えて貰って
作っていた。



そこに、副料理長がやってきて、

「お″いッ!ごぉらッ!
どうして煮る順番違げぇーんだよぉ″ー!!
あ″ーーー?!?(激怒)」




俺「…すみません
…このように、教えて貰いまして……」



副料理長「あ″ーーー?!(激怒)
だれだーーー?!(激怒)」






……………………………………



俺「……N先輩に…」





副料理長「お″いっ!!!
え″ーぬ″ーーー!!!
ごぉーーい!!!!(激怒)」




N先輩がやってくる……












「バッコーーーーーン!!」







((((;゜Д゜))))


あの全国2位N先輩が吹っ飛んだ!!



ヤバい……



色々とヤバい……



N先輩もキレかけている……



厨房で
本物のストリートファイトは勘弁して欲しい!!(汗)





あぁ……




厨房皆で止める始末





その後、、、
今度は僕が
N先輩にボコられたのは、
言うまでもない。


絶対
N先輩には逆らってはダメだ……
そう心に誓った。







とある日

また、
N先輩に教えて貰っているところに
副料理長が登場……
そして
「お″いッ!!
なんで……(激怒)」







俺の心の声「ヤバい……ヤバい……
またもや、似たような展開!!!」





でも、
もうN先輩は巻き込めない!!
この後が恐ろしい…




俺「…僕が考えてやりま…」

「バッコーーーーーン!!」


俺「…ん??!!」


俺、
まだ言いきってないのに、
俺殴られた?!

「バッコーーーーーン!!」

「バッコーーーーーン!!」




俺…


「バッコーーーーーン!!」

何発殴られるんだ…










この世界には


逃げ場はない!!
「入社して1ヶ月はまだお試し期間だ!」

4月に、
ヤクザみたいな料理長から言われた。


確かに
怒られてはいるが、、、


研修期間のN先輩みたいに

殴られてない…












新入社員歓迎会から
さらに二週間…





運命の1ヶ月が経った。








厨房の先輩達が
ニコニコと不気味な笑みを浮かべているような
気がした…







5月上旬…
先輩と呑みに行った。



先輩「ひとまず1ヶ月おめでとう!」







「そして、、、



ようこそ…悪魔の巣窟へ……」






…………………………………………………………………


沈黙する俺…




この飲み会も毎年の
「裏」恒例行事らしい……



とてもイヤな予感がした呑み会であった。


そして、
このイヤな予感は
見事に的中してしまう……