1日のほとんどを厨房内で過ごす料理人。

外の天気や
気温などが分からなくなる事もある。


特にこの店は
寮が店舗の上の階にあるため、
一歩も外に出ずに出勤が出来る。

そのため服装も一年を通して
あまり変わらない。



だが、
なぜかここの店には

長袖の白衣と

半袖の白衣が存在する。



厨房に入るときは
季節や気温に関係なく
腕まくりをしなければならないので、
正直二種類も白衣を用意する必要がないのだが、


衣替えが存在する。



この店の七不思議である…。


若旦那の娘の結婚披露宴から
数ヶ月後に行われる「忘年会」。 

※やっぱりめちゃくちゃ料理の世界シリーズ「結婚披露宴…前編:後編」を参照願います。  


結婚披露宴でのAKBのダンスのこともあり、
忘年会でも僕が何かやるのではないか??と、
他の従業員が期待して待ってくれている。
  


だが、
披露宴はあくまでも
若旦那にお願いされたため行っただけで
立候補したわけではない。



そう説明しているのにも関わらず、
相次いで期待の声を聞く。



これは
もう何かやるしかない!

そう決めた僕は新たな忘年会サプライズを考えることにした。


ダンスはその時流行している楽曲・・
かつ
仲居さん(おばあちゃん世代)でも分かりやすいモノであること…

なかなか難しいチョイスである。



AKBで言うなら
ヘビーローテーションだろうが
おばあちゃん世代にはノリノリすぎ…

しかも
前回の披露宴と雰囲気が被っていて
新鮮味や面白さがない…




ただ
ダンスだけではダメだ…。



色々考えた…





そして
本番当日。





今回は銀座のど真ん中にある
有名中華料理店。

まぁ何とも豪華な忘年会だよね(笑)



そんな豪華な場所で
またもや
やらかそうとしている若造が一人。



予定している出演時間が迫る。

流石に緊張してきた。



…………………………………………………………………………

そして……


また
お店の人に御協力をして頂き、、、、




ミュージックスタートッ!!!







「♪♪♪♪♪♪♪♪」


今回の音源は
AKB48の
「恋するフォーチュンクッキー」だ!!    
(※以下、恋チュン)

これなら
比較的ゆったりとした曲だし、
さっしー効果もあり?
老若男女が分かる!!


そして今回は
スーツ姿のまま踊り出した!!


披露宴のサプライズで
皆が
「コイツなんかやるんじゃねーか?!」
っ的な視線が間違いなく集まると思ったのだ。

案の定、
ずっと誰かには話しかけられてるし
見られていた。(笑)




スーツ姿の若造が一人で
恋チュンを踊り続ける。


お年を召した方に合わせた
ゆったりとした曲のデメリット…


それは
波が無くて
盛り上がりにくい!!


やはり、
曲のスタートから一分過ぎ頃から
マンネリレベル1が発動される。
コレは見ている方の表情が固まる。


皆がよそ見をしだしたら、
マンネリレベル2だ…。
コレはもう半分飽きてる証拠…





だが 
今回はこのマンネリレベル2を
待っていた!!
二分も経たずにレベル2へ入った。



その瞬間を逃さず
手拍子の合図を出す!!!





そして、、、

少し離れた
同じスーツ姿の同期が踊り出した!!


十秒後には
同期全員4人で踊り出す!!!



新たなサプライズで
仲居さんや若旦那達が笑い出した!!   



ここで
一気にたたみかける!





数秒おきに
スーツを着た厨房の男達が
一人づつ
恋チュンを一緒に踊り出したのだ!!






そう!!

今回のサプライズは

「フラッシュモブ…料理人バージョン!!」




予想外の展開に

忘年会サプライズは
大成功で終わった。




人生で一回は
やりたかったんだよね~

フラッシュモブ(笑)




でも、
このサプライズにはとても苦労しましたよ…


同期や後輩ならまだしも、

いつも僕を殴ってくる先輩達にも協力して頂くために
ペコペコしながらダンスを教えていったのだ。



披露宴以降
厨房でも先輩方に
「今回は何やるんだよー」
っとチクチクされていたので
逆に興味を持っていただいていたことを
逆手に取って、

「今回は先輩方のお力添えが、どうしても必要なのです…」

と、
披露宴の大成功を
今度は先輩方と味わいたいと説得して
どうにか成功へと嗅ぎつけたのだ。





忘年会の後のカラオケでも
皆で恋チュンを大合唱!

そして
ダンス!!


これは
この店に修行に来て
本当に良かったと思えた瞬間でもあった。



人生
辛い事ばかりではないよ!

いつか
楽しい時間がやってくる。
そう感じさせてくれる思い出となった。
若旦那は一年数回、
人間ドッグを受けている。



細かい検査内容は
下っ端の僕らには
知る由もなかった。


今年も若旦那が人間ドッグの為
店を早朝5時に出て行った。



僕自身
人間ドッグと言うモノを
まだやったことが無いため

人間ドッグの病院は
朝早くからやっているものなんだと思っていた。


そこから
3日間は帰ってこない。


そして、
毎年こんがり日焼けして
帰ってくる。


人間ドッグって
紫外線的な何かを受けながら検査するから
日焼けするんだな。

X線写真のように紫外線写真みたいなモノを
想像していた。



しかし、
この日の夕方…
お店に大きな縦長の荷物が届いた。

事務の人も居なかったため
僕が受け取る。



名前を見ると
若旦那宛てだ。


ん?!?!



荷物を改めて見る…



コレ…




若旦那が店に戻ってきて、
ふと聞いてみた。


俺「今年は天候も良かったですし、スコアどうでした??」


若旦那「まぁまぁかな…天候が良かったのは……」

「え?!…何で知ってるの?」


若旦那がキョトンとする。


そっと
ゴルフバックを差し出す。


若旦那が話しだした…
「今晩飯でも食べに行こう!」


俺「はい!」

元気よく返事をした。


その夜

銀座の天ぷら屋へ連れて行ってくれた。


ご馳走様でした!!!