友人が、訓練所の所長さんからこんな話を聞いたそうです。
「昔は胃捻転なんか無かった。ドッグフードを主体として与えるようになってから、増えた」
正確なデータは知りませんが、「そうかも」と思わずにはいられない理由が私にはありました。
(スタンダードプードルも胃捻転の多い犬種ですので人事ではありません。)
犬を育てていて、食べ物を変えたらガラッと犬の体格や毛艶などの状態が変わったという話が数多くあります。
繁殖の時の母犬の状態や子犬の発育、スポーツドッグの肉体、etc・・・
食べ物によって大きく左右されています。(もちろんそれ以外のいろいろな要因が絡まっている事もありますが)
実際問題、「手作り食」にしたら皮膚病や原因不明の疾病が治ったもしくは症状が出なくなったという話がゴマンとあります。
ガンについても、フードに含まれる環境ホルモンの影響が示唆されています。
犬に深く携わっている人達は、大抵自然の食材を与える事にたどり着きます。
大地のエネルギーをふんだんに備えた「食べ物」です。
その中には解明されていない栄養素も数多く存在する事でしょう。
相互作用する栄養素も見逃せません。
多くの生き物は毎日同じものは食べません。
一つの食物に特化した体を持っている動物もいますが、大抵そういう動物は絶滅の危機に瀕しています。
そういう動物でさえ、同じものを食べているように見えても実は他の栄養素も摂取していることが多いです。
肉食系の動物も、いろいろなものを食べます。(虫、鳥、草食動物、土、草、果物etc・・)
ウンチもそのつど同じ形状じゃありません。
ドッグフードをあげる理由としてあげられるのが、
栄養のバランスが良いから。
手間が掛からないから。
ウンチが一定だから。
価格が一定だから。
全部人間側の都合である事を考えてみてください。
栄養のバランスが良いというのは一見犬主体のように感じますが、「自分で栄養を考えて食事を用意できない」という人間側の都合です。
私もそれらの理由から、自分の都合で朝ごはんは少なめにフードをあげる事が多いです。
夜はメインなので、手作り。
家の連中はフードも手作りもぺロっと食べてくれるので助かってます(^^;
私は、生き物を健康に育て、長生きしてもらうのにもっとも大切な事は、その生き物にとって自然な環境(食事含む)を提供する事だと思っています。
これは、私が野生動物を含む多くの種類の動物を飼育してきた経験から導き出した答えです。
野生動物の繁殖などはその最たるものです。
犬は群れで生活し、食べ物を手に入れるために仲間と共に歩き、走り、仲間とマメにコミュニケーションをとり、肉やその他雑多なものを食べ、仲間と共に眠ります。
私はドッグフードはカロリーメイトみたいなものだと思っています。(あくまで個人的見解です)
バランス栄養食ですね。
当然、クッキー状のものを毎日食べ続ける事は、雑食に近い肉食の犬にとっては不自然なものだと考えています。
おまけに、犬は人間が人為的に作った品種であり、体質的にもかなりの個体差があります。
強い個体だけ生き残る野生動物とは違います。
ですからその犬に合った食事がそれぞれ存在します。人間と一緒ですね。
確かにドッグフードを食べ続けていても長生きする子もいます。
それには色々なラッキーな要素が含まれているものと思います。
生き物は一つの食物ばかり食べ続けるとそれに特化した胃腸になるようですので、うまく消化する仕組みを手に入れられたり(要するに胃腸が丈夫なんですな)、外に行った時、土や草などから足りないものを補えたり、出産をして子供に毒素をのせて排出できたり。
どちらにせよ、そうなれる個体というのはもともとの遺伝子レベルで生命力の強い個体なのでしょう。
さて、本題に戻って、胃捻転の原因として、
★家系
★食事の内容
★食事と運動の間隔
★食器の高さ(最近の研究では、食器を高くするとかえって胃捻転を起こす確立をあげるというデータが出ているそうですね)
★性格(神経質な子がなりやすいとか)
★体格(痩せている子がなりやすいとか)
があげられていますが、その中でも家系と食事内容が割合的に大きいと思われます。
(家系というのは、性格や体格、内臓の機能なども遺伝子レベルで関わっているので、当然。)
食事は上記の通りです。
私自身、食事を気をつけるようになってから、かなり体の状態が良くなりました。
人間だって自然な食べ物が良いんです。
体は食べ物で出来ている!
と、いう事を、日々、嫌というほど思い知らされています。
食育は犬の世界にも通じるのですね。
そのうち手作り食なんかも紹介しようと思います。