この物語は、シックスセンス管理人が今に至るまでを語るものです。
一番最初は、ココから
■再会 vol.16
トリップをし続けていた中学にあがったばかりのある日。DVの為か、私を虐めるのに飽きた為か、それとも継母と合わなかったのか、まだ高校生の兄は家を出ました。
未だに忘れられないのは、
「出て行かないで!」と兄に向かって叫んだ言葉が、実は「出て行ってくれて助かる!」と叫んだ感覚になっていたことです。実際に、どっちを叫んだのかな?と…思い出せないのですが、おそらくは、前者であったと思います。
さすがに父親も気持ちがダウンしたのか。
しばらくは気落ちした様子でしたが、不思議なことにその後しばらくして、持っていた土地を売りさばき、新しい土地を買い家を建てたのです。今思うと、不思議すぎます。
当時、私は13歳でしたが、26歳になるまで、再会することはありませんでした。どっからの風であったのか詳しくは知りませんが、風の噂で、兄は銀行強盗をしたとか、トラックを盗んだとか、人殺しをしたとか、いろいろな噂を聞きましたが、どれも事実ではなかったようです。
ただ再会して愕然としました。
兄は全く変わっていなかった。
全く変わっていなかったのです。もともと小柄ではあったと思いますが、身長は、私よりも20㎝ほど低く、顔も幼いまま…。霊能力の代償については、師匠と出会った後でしたので、すこしは理解し始めた時期でしたが、これが代償かと思わざるを得ませんでした。
ただ、身長だけではありませんでした。内臓もボロボロでした。国指定の原因不明の大腸の病気のようですが、いまだに、生活保護は受けたくないと言い張っています。しかし、とても普通には働けないほどの痛みだそうです。私が何か助言しても聞くような奴ではありません。放っておくしかないと、今は思います。
助けないのか?とお思いでしょう。
私も長い間、兄にもいじめられてきましたし…。
彼の運命で、私の言葉を受け入れないのは昔からですから、放っておきます。
心は苦しくないのか?とお思いでしょう。全く無いといえば嘘になりますが、今は放っておきます。
やはり兄にも霊感が少なからずあるようで、部屋には変な神棚を祀り、お経を覚えています。今でもです。そんなことをしたら、余計に集まるのに…と助言したのですが。だめですね。
つづく