秋なので、チャイコフスキーを聴くというのはどうしてか私の癖のようなものです。
心が激しく揺さぶられるほどの感動を覚え、その物語から抜け出せなくなる感覚にひたれる。それが私にとってのこの楽曲です。
今朝は非常に寒く、厚手のマフラーを収納タンスから引き出して首に巻いて羽田空港まで向かいました。マフラーなんて誰かしているのか?とももちろん思いましたが、意外と、私と同じように数人がマフラーを首に巻いているのを品川駅で見かけました。そして、この寒さだからこそ、羽田空港へ向かう京急電車の列に立ちながら、チャイコフスキーというお気に入りをミュージックアプリで開き、ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35をイヤホンで流し始めました。
もちろん特に好きなのは第一楽章なのですが、誰にこんなヴァイオリンが弾けるのか?どんな天才だったら弾ける?それこそ血と汗と命を削り、人生の全てをヴァイオリンにかけた強者たちでも、全員は無理だろう。さらにその中の、ほんの一人握りの人間にしか弾けないであろうヴァイオリンの旋律が、私の心を激しく揺さぶってくれる。緊張感と幸福感を行ったり来たりし、それこそ神と呼ばれるほどのソリストの存在に酔いしれてしまうのです。
いつか、私の役目が終わり時間が出来た時、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を生で聴ける日が、目の前で見られる日が来るのであれば、ああ、そういえば、それが確かに私の夢です。
目を閉じて、耳の中に流れるチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35第一楽章。涙が自然と溢れてきて、羽田空港についた時に涙をそっと拭きました。
やっぱり秋は、チャイコフスキーだと思うのは私だけなのでしょうか。
シックスセンス管理人


