イメージの時空。菊竹清訓、出雲大社庁舎1963 | 6rosui8のブログ

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出雲大社庁舎(1963竣工、日本建築学会賞)菊竹35歳の時の作品。

 

ディテールを見て改めて感じる、この建築のすごさ。RCのPC部材で繊細な組み立て細工のような建築が作られている。静かな狂気を秘める現代建築が、あの伝統的厳粛な空間に何事もなかったように鎮座して、不思議な外部空間を創出していた。このような建築は2度と生まれない。解体は残念。

 

伝統的建築空間と現代建築の共存。例えばIMペイの有名なルーブル美術館のガラスピラミッドは、衝撃的単純性で外部空間を変質させ人々を驚かせた。菊竹の出雲は、現代建築が漂わす夢と、厳粛な伝統的空間が見事に結合された雄大なイメージの時空がそこに作り出されていたように私には思える。

 

でももうそれを味わい感じること、確かめることはできない。

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