6rosui8のブログ

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●気になる短歌3首

「船艙(せんそう)の狭き臥所(ふしど)も争ひて共に帰りぬいづち行きけむ」(小暮政次)・・・終戦の引き揚げ船の中で寝床も争って共に帰ってきた皆はどこへ行ったのだろう。極貧と混乱の時代だったけど意外に明るいものがあったと思う。それはみんな若かったから。同じような別れと混乱、貧困もあるが、いまはまったく違う。

 

「やみほそるながてとりもちまがつひにもえたつやどをいでしひおもほゆ」(会津八一)・・・空襲で会津八一はほとんど全ての財産(蔵書)を失った。「まがつひ」は(禍つ火)で空襲で燃え立つ火のこと。すでに業績による名声は得ていたが、信愛の伴侶も病で失うことになり、人生の後半で失ったものはあまりにも大きかった。

 

「健康のために始めしジョギングで死ねりとぞいふ良いではないか」(狩野一男)・・・これも気になる歌。こういう日常のつぶやきも短歌となる。別に健康のためにではなく、本当はやりたいからやっていただけだろう。好きなことをやって死んでいくのが、人間の最高の生き様の一つなのだから、それでいい、ほんと。