アポトーシスと酸性プール -7ページ目

酸性雨は青空に。


僕が学校の間に遊んでいた彼は、やはり待ち時間の間は勝っていた。昨日も今日も、僕を待っている間は強いのです。
それは良い事。

実家に帰ると云う彼が、唯実家に帰るなら未だしも、遊んでいて逢えない上に僕を迎えに来ないのに勝手にふて腐れた僕は馬鹿みたいだと想った。て云うか馬鹿だよね。餓鬼か!って想った。絶対に何かを含んでいた電話越し、丁寧な言葉の他には何も云わず電話を切った。
朝のささやかな学校までの二人ぼっちの車内でさえも、僕にとってはとても大切な時間なんだって完全な冬が近付く夜に染められた空に悉く気付かされる。

飽きられても可笑しくない状況に自分を追い込んで、自虐的になって、墜ちる所迄落ち込む癖。これで飽きられても僕は何も言えないので(言う権利が無い、と表記する方が妥当で有ろう)、今日は宅習も何もせずに眠って仕舞おうと想うのです。
いや、寧ろ今眠いのだけれども。


逢いたい、なんて、言えない。
逢いに来る、なんて、想えない。

淡い期待は燃え切った煙草の火と一緒に揉み消して仕舞おうか。



クラスの男の子は青空の様な人。僕とは全く正反対な。
色々な話をしながら一緒に帰って国分で初めて二人乗り、後ろ専門の僕は段差の度に激痛と小さな悲鳴を漏らして居たけれども(今日は三段フリルスカートに、コートだったからボリュームは有った筈なのに)、とても楽しかった。


帰ってみると独り。
憂鬱に支配される小さな僕の部屋。

蟻に踏まれたい気分さ。


おはようございます。
今日も何時もの様に彼を起こして。学校に行ってきます。
少し電話越しの声が何時もと違った。それだけで芽生える不安はなんだろう。何時も僕は彼に甘えるだけ甘えて仕舞う所為で朝、ゆっくりと寝せてあげる事も赦してあげられない。不安なんだ、いっぱい。

ごめんね。
大事な人。

蜂蜜、適量。


最近お互いに風邪を引いたり、僕が発端となったごたごた(正直死んだ方がマシだと想った。けれどもやはり、弱虫な僕には何も出来ず)の所為で彼との時間が全く取れない儘精神的欲求不満だけが募っていた。
有っても分単位、玄関から一歩先に進めない距離間が僕達の見えない距離をじわじわと拡げて行って。この儘、見えない距離に慣れ切った身体と心は何時の間にか彼を求めなくなるのではと不安に襲われていた。

風邪を理由に、数時間の空白を利用して届けに行ったお弁当。金曜の予定全てを終わらせ向かった彼の元。久し振りに一緒に食べた夕食。実家へ帰らなくてはいけない彼に離れたくないと我が儘を言い、引き延ばした蜜の時間。同様の症状を呈した互いの弱った身体を寄り添い合って得た体温。泡の中密着させあった肌の感触。風邪の名残で頭が霞む中風邪が移ってしまうからと出来なかった分を埋め合わせる様に何度も口付けた唇。やっぱり温かな腕の中。堪らなく、好きだなって想った。




今日はゆっくりと時間の流れる日。目覚ましをかけずに眠ったのは久し振りだった。相変わらず、昔の様に十数時間も眠る事は無くなったけれども。掃除と洗濯に明け暮れてみようか。此処数日までの土曜には彼が居て、日曜に限られた時間の中掃除洗濯を詰め込んで居たけれども。
風邪は未だ鼻水を残す程度までに回復してくれた。心配なのは彼の方。僕は意外と強い子なのです。

さぁ、お昼は何を食べようか。大量(僕にとっては)の卵で何かをしようと云う気には余りならないのだけれども。