映画「愛が微笑む時」エリザベス・シュー | TO NI LAND 

 

 

“ファンタジーコメディ”

のジャンルであるらしい、

 

映画「愛が微笑む時」を観た。

 

 

 

 

赤の他人である、

 

男女4人の背景が

それぞれ示された上で、

 

 

4人が偶然

同じバスに乗り合わせて、

 

そのバスが事故に遭い、

 

4人とも死んでしまう

というプロットは、

 

 

似たような形で

他にもあったように思うが、

 

 

たまたま

事故現場近くで産まれた、

 

男の子の赤ちゃん

(ロバート・ダウニー・Jr.)に、

 

 

霊となった4人全てが

取り憑いて、

 

 

まさに

ドラクエ状態なまま、

 

30年にもわたって

ロバート・ダウニー・Jr.に

付きまとうという、

 

 

亡霊に人格が

あるかどうかは疑問だが、

 

 

5人の人格を

まるで無視した設定が、

 

ずいぶん乱暴に思えて、

 

 

隣を走っていた車の

女性の足に見とれて、

 

自身を含む

死亡事故を起こしたのに、

 

 

そのバスの運転手が、

 

突然、

 

地獄からではなく、

 

天国から4人を

お迎えに来た挙げ句、

 

 

やたら4人に対して高圧的で、

 

まるで罪の意識など

感じていない態度が、

 

 

昨今の諸々の不祥事に対する

責任者の謝罪会見のようで、

 

 

どうにも胸糞悪く、

 

 

なんて理不尽極まりない

作品なのだと呆れたが、

 

 

“ファンタジーコメディ”

ではなく、

 

 

“ブラックコメディ”

として捉えれば良いだけのことで、

 

 

そう思い直すのに時間を要した、

 

私自身の免疫力の低下が

心配になってしまった。

 

 

 

 

 

 

当時、

 

ジョイ・ウォンの

虜になってしまった、

 

映画「チャイニーズ・ゴースト

・ストーリー」を彷彿させる、

 

ワイヤーアクションやSFXが、

 

 

いかにも一昔前の映画

といった感じで、

 

 

映画「ジャージー・ボーイズ」を

思い出した、

 

作中で流れる

『Walk Like a Man』のオールディーズや、

 

 

夜空に4人の星が

一つずつ点灯していく、

 

今はやらないであろう

メルヘンチックな演出に、

 

ノスタルジーを感じ、

 

 

 

シチュエーションを

わからずに観賞すると、

 

ドラクエ状態であるため、

 

 

恐ろしく

人口密度が高くて、

 

 

随分、間合いが近い演技だと

違和感を覚えるのだろうかと、

 

想像すると笑えて、

 

 

“チャップリン”を

演じたことも知らず、

 

“トニー・スターク”のイメージ

くらいしかなかった頃、

 

 

映画「ワン・ナイト・スタンド」で、

 

 

ウェズリー・スナイプスと

ナスターシャ・キンスキーの

不貞を目撃する、

 

ロバート・ダウニー・Jr.の

表情のみの演技を見て、

 

 

単なる、ちょい悪オヤジでは

なさそうだと、

 

感心したのを覚えているが、

 

 

今回の彼の演技も素晴らしく、

 

 

トニー・スタークが

アイアンマンになるのではなく、

 

 

4人の亡霊達が

入れ替わり立ち替わり、

 

トニー・スタークの

身体に乗り移る、

 

 

つまり、

 

実際に

ロバート・ダウニー・Jr.が、

 

チャールズ・グローディンと、

 

キーラ・セジウィック、

 

アルフレ・ウッダード、

 

トム・サイズモア

の真似をするわけだが、

 

 

それが実に見事で、

 

 

SFXやらの

一昔前の作品ではなかったら、

 

 

映画「ブラック・スワン」

ではないが、

 

 

それぞれの俳優の動作に

コンピューター処理で、

 

ロバート・ダウニー・Jr.を

重ねたのではないかと、

 

疑っていたかも知れなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エリザベス・シューと言えば、

 

 

アルコールやシルクの匂いが

漂って来そうな、

 

素晴らしい演技だった、

 

映画「リービング・ラスベガス」

での娼婦役が浮かぶが、

 

 

 

「リービング・ラスベガス」までは

存在感の無い役が多かったと、

 

彼女が語っている通り、

 

 

「愛が微笑む時」も同様に、

 

ジョン・C・ライリーの言う

セロファンな存在で、

 

 

放送事故ではないのかと

呆然としてしまうほどの、

 

無味無臭な演技は、

 

 

ある意味で、

 

ロバート・ダウニー・Jr.の演技を

超えているのではないかと思えた。