三枚の写真 | tantantaroの言い放しブログ

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日々、感じたこと、興味をもったことを、批判覚悟で、思いのままに書いています。最近は猫blogとなっています。それでも時々猫以外も書きます。

ビュリッツア賞写真部門の中で印象的な三枚の写真。



日本人沢田教一が1966年8月に撮った写真「泥まみれの死」。ベトナム戦争下、アメリカ軍の戦闘車がベトコンの死体を引きずっている写真で、一部にヤラセとの批判があったと記憶しています。沢田教一は「ライカでグッドバイ」という伝記で知ったのですが、その中でこの写真を知りました。アメリカの世論を反戦に向かわせた写真の一枚です。



この写真もベトナム戦争の一枚。サイゴン市内で南ベトナムの警察長官がベトコンを射殺した瞬間。このシーンは記録映像にも残っていて、ドキュメンタリー映画「ハーツ&マインド」の中で見ました。
この一枚もまたアメリカの反戦世論を掻き立てた一枚で、私も、南ベトナム政府の非道性を強く感じたものですが、実は、この射殺された男性は、南ベトナムの警察官やその家族を無差別に殺戮した北ベトナムのテロリストで、そのテロが背景にある処刑とあとで知りました。写真というものの恐ろしさを認識した一枚です。



公民権運動に揺れるアメリカで、1974年に連邦政府が人種差別のある高校の学生を強制的に白人高校に通わせる命令を出したために騒乱状態になったボストン。白人、黒人がお互いにシュプレヒコールを上げる中で、黒人弁護士が星条旗で襲われるシーン。
1970年夏ロスに一月半滞在しましたが、私も白人の子供に石を投げられたりした経験もあったし、メキシコ人街での暴動も目撃しましたが、騒乱状態というほどでもなかった(西成の暴動の方が騒乱状態でした)ので、それからたった4年で凄いことになったなあと驚いた一枚です。