風林火山は戦国武将の武田信玄が旗に大書し、旗印に用いた言葉で有名です。
戦いにおける四つの心構えを述べた言葉だそうです。
風のように素早く動いたり、林のように静かに構えたり、火のような激しい勢いで侵略したり、山のようにどっしりと構えて動かないという意味です。
転じて、物事の対処の仕方でもあります。
(疾如風、徐如林、侵略如火、不動如山)
「其(その)疾(はやき)こと風の如ごとく、其の徐(しずか)なること林の如く、侵掠すること火の如く、動かざること山の如し」の略です。
臨機応変という言葉のようでもあります。
その意味は、その時、場面に合わせて正しいとされる対処をすることです。
適切な手段をとるということです。
「臨機」が、状況に相応しい行動を取ることを意味している言葉です。
後半の「応変」は、変化のある局面に応じて対応することを意味します。
関連語として「融通無碍」考えや行動が何にも、とらわれず、自由な対応が取れることなどのことです。
その場、その時に応じて心をその事に集中させなければなりません。
そのような事は心が定まっていなければ出来ない事なのです。
明治、大正の曹洞宗の僧侶であった新井石禅老師の書が我が家にあります。
[心は大山の如く八風を受けて動せず 量は大河の如く衆流を容れて厭はず(漏らさず)人生を夢と観すれば悲しみもなく苦しみもなし 萬事を空と悟りてこそ花もあれ実もあれ]
これは禅からの超越であり悟りなのでしょう。
浄土門では「念仏者は無碍の一道なり」となるのです。