スプリングネット枠 | 虫けら屋の「ちょっと虫採り行ってくる!」

昆虫採集の、基本道具の紹介です。

昆虫採集において、捕虫網は基本中の基本アイテム。
安い物なら100円ショップでも手に入りますが、

本格的に採集をするのならもう少し良い物を使いたい。
 

そこで、虫好きの愛用率も高い、

「スプリングネット枠」をご紹介。

 

100円ショップやデパートで市販されている物と異なり、

本格的な捕虫網になると、「柄」「網枠」「ネット」と

それぞれ別パーツで販売されています。

 

これは、「網が破れた」「枠が壊れた」など個々の部分が破損しても

そこだけ交換してまた使うためです。
 

本格的な網となると価格もそれなりに高価ですので、

パーツの破損だけで全部買い換えていたら大変です。

そのパーツの中の「網枠」にも、

これもまたいくつか種類があります。
 

そんな中から、今回はスプリングネット枠という物を

ご紹介します(※ネットは別売です)。

 

…使い古しなので、少々汚れていますが、キニシナイ
新品だったら真っ白ですよ、ええモチロン(笑)

枠が幅広のバネ金属で作られているため、

その性質を利用して右のように小さく畳む事ができる便利アイテムです。


嵩張る網枠が移動の際はザックのポケットなどに

スッポリ収まってしまうので持ち運びにもとても便利で、

広げれば十分な口径の網になります。
 

市販品は口径(枠の大きさ)が

30cm,36cm,42cm,50cmと4種類がありますが、

この枠を使うなら36cmか42cmあたりがオススメ。
 

口径はある程度大きい方が当然虫は採りやすくなりますが、

バネ枠という性質上とどうしても網を振ると“たゆむ”ため、

あまり大きい口径は少々使いにくくなります。
 

個人的にはバネ枠なら36cm径が一番良いと思うのですが、

42cm径を使う人も多いですね。
もっと大きな50cm径などを使いたい場合は、

スプリング枠ではなくもっとしっかりした四折枠などをオススメします。

 

 

この構造が他の商品にも応用されていて、

釣り具のランディングネット(虫用とどっちが先?)や、

驚いたことに洗濯物カゴにもなっていました。

 


…さてこのスプリング枠、

小さく畳めて便利なのですが、

ひとつ大きな問題 があります。


実は畳み方にコツがあり、慣れないと畳めない のです。


そこで今回は、そのたたみ方を紹介したいと思います。
まずは動画で。

 

 

…で、動画だけだと分かりにくいので、順番に解説していきましょう。


(1)網枠の両端を持つ

持つのは左右でも上下でも、輪の両端であればOK。
この時、手は順手逆手にする。

捻りながら畳むので、順手同士だとかなりやりにくい。
利き腕側は順手(画像だと右手)に持ち、

反対側は手の甲が上に来るように逆手で持つ。


(2)網枠を捻る

左右から押し縮めながら、逆手で持った方を奥向きに捻っていく

左手が逆手から捻って順手の向きになっているのが分かるだろうか。

途中で、ちょうど馬の鞍のような形になる。


(3)更に縮めつつ捻る

ここが分かりにくいのだが、

鞍型となった時点で一番低い場所(黄△)同士が重なって交差する。

同時に頂点部分(赤△)も重なっていく。


(4)更にたたむ

3つの輪になって重なるように、更に捻りながら押し縮めていく。

(5)完成

3つの輪になって重なるように、更に捻りながら押し縮めていく。

(5)完成

最後に垂れているネット部分を巻いて、完成。

…多分、一度では覚えられないと思います。
自分も何度も四苦八苦しながらやっていた記憶がありますので、

何度も練習して体に覚えさせるしかありません。
 

頭の中で考えながらやっていると混乱しますので、

手の捻りなど感覚で覚えていくのが一番だと思います。
 

自転車の乗り方と同じで、一度体が覚えてしまえばあとは簡単です。

また、

開く時はバネが弾けて勢いよく広がりますので、

顔の近くでは広げないようにしましょう。
思わぬケガをする恐れがあります。
 

…バネが弾けてぶつかれば痛いのは分かり切った事ですので、

間違っても 

「危険だ」とかメーカーにクレームを付けたりしない

ようにしましょうね(笑)

 

これを同じく市販のジュラルミンロッド(アルミバー)という

金属製の伸び縮み竿に付けて、使います。

プロの研究者も使っていますし、

またメインで使う網が万一壊れたときの

予備として持っている人もいます。

 

「虫採りは子供の遊び」と思われがちですが、

プロも使うこんな道具もあるのです。