昨日から今朝にかけての雨は、雪には変わらず一安心。

 

予報では昼から晴れとなっていたので、昼頃、庭木の剪定の真似事をしに外へ出たのだが、いつまでたっても暖かくならず、雲の向こうに薄日が見えるだけ。すっかり身体が冷えてしまった。

 

これはもう、行きつけの銭湯に行くしかないと決めて、テレワーク用のパソコンを抱えて夕方早々に銭湯へ向かった。

 

途中コンビニでコーヒーでも飲もうと車を駐めたところ、ようやく空の雲が薄れだして夕焼けが見え、そこにかなり太ってきた月が懸かっていた。

 

まだとても春とは言えないが、朧月と呼んでもよさそうだ。
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前にも書いた(*1)が、空高く懸かっている月だけを撮ってみても、たとえ夕焼け空でもちょっと物足りない。

 

無理やり電柱・電線と絡めて撮ってみたが、何だか変な感じ。
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それよりも、昼間の曇天を埋め合わせるかのように、淡いピンクの夕焼けがなかなかきれいだったので、寒さも忘れてシャッターを切りまくってしまった。なんと愚かな……
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さて、目的地の銭湯のこと。
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私がご厄介になっているお寺(*2)からは、車で5分10分の距離で便利だし、なにぶん湯船が広くて手足が伸ばせるから、寒さを突いて出かけるだけの価値がある。

 

余談だが、寒さが厳しいのに、髪の毛が伸びてきてしまったので、近所の床屋さんで短くしてもらった。(あー、前は最初から薄い……)
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寒いから髪を切る、という私のやり口は、床屋のおば……おねえさんにも最初は呆れられたが、短い方がすぐ乾くのでむしろ冷えずに済むと説明したら、そりゃそうね、なんならすっかり剃ってあげましょうかと突っ込まれてしまった。

 

話を戻すとこの銭湯、マッサージ店だの食堂だのついているので、まあスーパー銭湯の部類かもしれないが、あくまでも近所の住民のためのもの。ぜんぜん観光地化していない。

 

なので、夕食前ぐらいのジャリッ子達がワラワラ来る時間帯や、夜遅くの寝る前のひとっ風呂の若者達がガヤガヤ来る時間帯さえ避ければ、大変静かなものである。

 

まずは、ぬるめの湯船でゆったりと身体を伸ばしてリラックスし、それから熱めの湯船でしっかりと温まる。というのがいつものパターンなのだが、今日は身体の芯まで凍えていたので、初めてサウナにも入ってみた。

 

サウナは板張りの床が部分的にささくれていたりして、まあお値段相応ではあったが、広くて人が少ないので、これまたゆっくりとストレッチをしたりできて、私としては満足。

 

でもって水風呂に浸かったわけだが、これはちょっと冷たすぎ。60秒で我慢できなくなってしまった。でもまだ身体は火照っている。

 

そこで、これまた初めて、露天風呂にも行ってみた。もちろんこの季節、寒すぎるだろうと思ったから今まで入ってみてもいなかったのだ。

 

石敷は足に冷たく、これで熱い湯に入ったらヒートショックを起こすのではないかと思ったけれども、浅い「座り湯」という湯船がぬるめでちょうど良かった。

 

この湯船には、ぬるいからなのか、誰も入ってこないし、ほとんど寝湯のように浅いので、のったりと全身を伸ばして後頭部まで浸かる。

 

ホーッと空を見上げたところ、まだ中空に懸かったほぼ満月が、ボイラーから立ち上る湯気と、何だか分からないが黄色い葉の木と重なり合って、実に「絵になる」。

 

ひと気がなく、何時間でも入っていられそうにちょうど良い温度の広い湯でお月見なんて、秘湯にでも行ったかのよう。これぞ贅沢、を通り越して極楽そのもの。

 

もし写真を撮れるものならこんな構図かなぁ、などと矯(た)めつ眇(すが)めつした挙げ句、とっておきの写真を一枚だけ、しっかりと心のフィルムに焼き付けたのだった。