2012.11 NO.17 きつね と けつね
激太りが話題となった親日派ポップシンガーレディー・ガガさんが来日の際立ち寄るという東京の立ち喰い店で「きつねをください」と言うと、店主から、そば、うどんのどちらと聞かれる。一方関西では、「けつね!」(きつねの関西方言)と言うときつねうどんが出でくる。関東のきつねそばは、関西では「たぬき」という。天かすがいっぱい入った関東のたぬきは関西では「ハイカラ」という。そばなら「ハイカラそば」と注文する。
うどんの出汁は、関東は鰹節と濃口醤油。関西は鰹節・昆布と薄口醤油がベースとなる。
銀行に入行した翌年昭和49年1月に転勤で神戸から上京し神田の独身寮に入った。寮の朝食がない時は近くの麺チェーン店に立ち寄った。店には申し訳ないが、出汁が真っ黒で、すくなからずショックを受け、ホームシックになってしまった。神戸に居るときは青ねぎが臭くて嫌いであったが、東京に来てからは懐かしさからか好んで食べるようになった。
現在東京に居を移して18年になるが、やはり関西風のきつねそばが懐かしく、出張で新幹線で大阪へ行くときは、新大阪駅構内の立ち食い店に寄る。
関西は牛食文化で子供の頃カツと言えばビフカツであった。関東は豚食文化でポークカレーは関西人の私にとって最初は不思議に感じた。
お好み焼きでも、今は東西関係なく豚玉(キャベツが入った生地に生卵を混ぜ込む)が主流であるが、私が子供の頃神戸では牛天が定番だった。当時お好み焼きのことを「にくてん」と称していたが、卵が入っていない生地に牛肉をのせ、その上に生卵をのせて裏返す月見天が好きだった。ただ、牛肉は火の通りが早いので、じっくりと焼くお好み焼きには向いていない。
私が子供の頃関西ではウスターソースが主流だった。立ち喰い串かつ屋の二度付け禁止のソースもウスターソースがベースになっている。東京はトンカツソースが主流で、我が家でも私しかウスターソースを使わないので、隅に追いやられている。
すし屋でメニュー札の一番は、関西では魚の王様たい(鯛)で、関東はまぐろだ。
周知のことだが、うなぎは関西は腹開きであるが、関東では武士の切腹イメージを嫌い背開きになっている。関東はタレをつけて焼く前に蒸して柔らかくするが、関西では蒸さない。
私が最後の晩餐にはこれと決めている河豚は、東のアンコウ、西のフグと言われるように関西に限る。関西の食物の方がほとんど美味しいと思うが、うなぎ、煮穴子、まぐろは東京に敵わない。
ハンバーガーチェーン・マクドナルドは関東ではマックと略称するが、関西ではマクドと言う。マイド(毎度おおきに)、オイド(お尻)、ゴクド(極道)と同じ調子だ。
関西出身の私は、感謝の意味で「すみません」を多用する。すると東京生まれの妻はなぜ謝るのかと訝るが、武家社会で商人が謙ったなごりであろうか。
東京にあこがれを抱く東北人をうい奴と思う東京人は、関西人を生意気と思っている。
関西人は、関西弁のどこが悪いねんと言って直そうとしない。「東京はせいぜい太田道灌の時代からや。関西は2千年も前から日本の中心なんや」と東京に対抗意識を燃やす。
所変われば品変わるというが、狭い日本でたった500キロメートルでこんなにも違う。
これが宇宙のスケールになると、想像もつかない。
都市伝説の番組では、宇宙人は存在し、ケネディー大統領は約50年前にこれを公開しようとしてCIAに殺されたとする。スピルバーグ監督の映画『E.T』は宇宙人が地球人に友好的であることを知らしめるために作られたと言っているが、ホンマかいな!?。
高度に文明が発達した異星人が地球人を同じ人間と思ってくれるかどうか分からない。
昔トワイライトゾーンというアメリカのテレビ番組があった。出術室で患者がこんな醜い顔を見たことがないと医師達に言われている。番組の最後にいよいよ顔が明かされると、なんと患者は超イケメンで、医師達の顔が怪物だったという内容をよく覚えている。
心やさしき我妻もゴキブリには容赦がない。「子供達が大騒ぎしているから、なんとかして!」と言いに来るが、「ゴキブリも生きる権利がある」と相手にしないと、「なにバカなことを言ってるの、害虫なのに。もう役立たず!」と言って自分で処理してしまう。
異星人が地球人を大きなゴキブリだと思えば、慈悲なく殲滅させられる。
筋萎縮性側索硬化症という難病と闘いながら宇宙論を思索する、かのホーキング博士が地球外生命体を探すべきではないと主張しておられたが、頷けるところだ。