ことばの物語
〖人はパンのみにて・・〗
「人はパンののみにて生きるにあらず」、新約聖書
マタイ伝にあるキリストの言葉。
日常は「人間は物質のためではなく精神的にも満
たされることを生きる存在」という意味で使われま
す。
当然キリスト教ですから、この精神的の部分は「信
仰」を言っています。
国家においても文明(生産活動)と文化(精神活動)が
必要であるともいえることですね。
文化のない国は滅ぶといいます。
<イエスが荒野で40日間の断食をしている所へ
サタンがやって来てイエスをためします。
「もしお前が神の子ならば、これらの石にパンに
なるよう命じてみろ」と。
そこでイエスがいいます。「人はパンのみによら
ずに神の口から出る全ての言葉(信仰)によって
生きるべきであると書いてある」と。>
※書いてある?これは「旧約聖書ー申命記」にある
モーセの言葉のことであります。
古代ローマの民衆は「パンとサーカス(娯楽)」を
求めました。権力者は人気取りのためこれを満た
すために力を注ぎ、政治の何たるかを忘れてしま
っようですね。この風潮はローマ帝国滅亡の一因
となりました。
≪仏教語≫
〖梵語からの漢字〗
インドのサンスクリット語は古代インド・アーリア語
に属する言語で、文学・哲学・学術・宗教などで
広く用いられています。
サンスクリット語は正しく構成された言語(雅語)
のことだそうで、このほかインド文献には俗語の
パーリー語というものがあります。
漢語の「梵語」というのはサンスクリット語のこと
であります。名前の由来は造物神・梵天(ブラフマー)
により作られたとするインドの伝承によるものであ
ります。
〖よく知られる漢語〗
僧ーそう
サンスクリット語の「サンガ=僧伽」の略。
盂蘭盆ーうらぼん
『盂蘭盆経』(偽典とされています)にあるもので、
目連尊者が餓鬼道で苦しんている母を見つけ
これを救いたいとおしゃかそ様に相談します。
「夏安居の最終日に僧侶たちに供物をあげな
さい」と釈迦は答えました。これがこの供養の始ま
りといわれます。
日本ではお盆といわれ、旧暦の7月15日、または
新暦の8月15日行われます。
卒塔婆ーそとうば
「ストゥーバ=塔(仏塔)」からで、釈迦の遺骨を安置
し供養する建物を意味していました。
檀那ーだんな
「ダーナ(布施)」からで、旦那とも表記します。
日本では特定の寺院に属して、その経営をする人。
(特定の寺に一戸単位で所属しなければならないと
檀家制度というものがありました。江戸時代の宗教
統一政策で、葬儀や供養などの仏事をその寺(檀那
寺)に任せる代わりに、寄付をして経済的支援をする
檀家という関係であります。)
これから派生したものが、日常使われる奉公人が
その主人を呼ぶ呼称となり、また女性の配偶者の
呼称となりました。
奈落ーならく
「ナラカ=奈落迦」の略で地獄のこと。
これから派生して、劇場における舞台の下や歌舞伎
の花道の床下の通路の意として用いられます。
荼毘ーだび
「jhãpeti」kの音訳で、意味は「燃やす」ということで、
火葬にするということであります。
菩提ーぼたい
「ボーディーサットバ」からで。意味は「仏の正覚の智」
、悟りの意味で、「菩提心」というと「悟りを求める心」
のことをいいます。
これから死者の冥福を祈る、菩提を弔うという意味
が派生します。
袈裟ーけさ
「カーシャーヤ」からで、「糞掃衣」といみで僧侶の
法衣のことであります。
本来僧侶は財産となる私有物を持つことを禁じられ
ていました。これにより衣は捨てられて価値のなく
なった端切れを繋ぎ合わせて作られていました。
「糞を掃除するくらいしか役に立たない布」という
ことであります。
現在ては位が高くなるほど袈裟は金糸銀糸の絢爛
豪華になってますね。むしろ、修行が深まるになる
に従って質素になって行くべきですね。
そうはいうものの、仏の住む所は金銀瑠璃玻璃で彩
られているそうですね。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武
部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
中国名言集(一日一言) 井波律子著/岩波現代文庫
世界の神様解剖図鑑 平藤喜久子著/(株)エクスナレッジ
ブッタいのちの言葉/宮下真著・道元禅の言葉/境野勝悟・
一休禅の言葉/境野勝悟ー知的生きかた文庫
心が晴れる禅の言葉/赤根祥道た著・空海感動の人生学/
大栗道榮・親鸞感動の人生学/山崎龍明—中経文庫