ことばの物語
〖百年河清〗
ひゃくねんかせい
あてにならず望みのないことをずっと待つて、
いつまでたっても無駄なこと、であります。
「河」は中国では「黄河」のことで、書いて字のごとく
黄色く土色で濁った大河であります。
この河の水か澄みきるのを待つということですね。
ちなみに「江」というと長江(揚子江)であります。
和訓の「かわ」の語源は「がわがわ」と流れる川の
音、擬音からだそうです。
「川」という字は、小さい川から大きい川までの総
称として日本で用いられます。
〖江・河・川の区別〗
「江」はとても大きな川や、入江のことを指します。
「河」は大きな川ですが江よりも少し小さいかわ。
「川」は「かわ」の総称として、全般に用いられます。
江ーえ・かわ・コウ
字の成り立ちは「水」に「工=緩やかに反った半円
形のもの」で、中流から下流にかけて緩やかに湾
曲したかわで、中国南方のかわを「江」とあらわした。
河ーかわ・カ
字の成り立ちは「水」に「可=口(音)+折れ曲がる」
で、曲がって流れるかわの意をあらわす。
≪仏教語≫
〖因果応報〗
いんがおうほう
もはや日常語ですね。もとは仏教語で、悪因悪果、
善因善果で、このそのものが日常語として生かされ
ています。
この先にある教えが、「因果応報の理(宇宙の理法)
に基づいて行動することで、幸福と平和が得られる」
ということであります。
より良い選択をしたいものであります。
中村元先生の『仏教の神髄』を読んでいると、つぎ
のようなことが書かれていました。
<まだ惡の報いが熟さないときは、悪人でも幸運に
遇うことがある。しかし、悪の報いが熟したときには
悪人は禍に遇う。・・・・
まだ善の報いが熟さないあいだは、善人でも禍に
遇うことがある。しかし善の果報が熟したときには
善人は幸福に遇う。・・・・
「その報いはわたしには来ないだろう」と思って
軽んじるな。水か一滴ずつ滴り落ちるならば水
瓶でも満たされるのである」。>
司馬遷は、人を食ったと噂される大盗賊の盗跖は、
放蕩、残虐三昧で天寿を全うし、清廉潔白な伯夷・
叔斉は餓死してしまった。果たして「天道は是か非
か」と問います。
このような不条理に、仏教は前世の因果、後世へ
の因業、三悪道(餓鬼・畜生・地獄)落ちを用意し
ています。
昨今の政治資金問題。
報酬は善行の果報として戴くものでありますね。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武
部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
中国名言集(一日一言) 井波律子著/岩波現代文庫
世界の神様解剖図鑑 平藤喜久子著/(株)エクスナレッジ
ブッタいのちの言葉/宮下真著・道元禅の言葉/境野勝悟・
一休禅の言葉/境野勝悟ー知的生きかた文庫
心が晴れる禅の言葉/赤根祥道た著・空海感動の人生学/
大栗道榮・親鸞感動の人生学/山崎龍明—中経文庫