ことばの物語
≪つつむ・つつみがまえー勹≫
「勹」は「人が腕を伸ばして抱き込んでいる形」で、
つつむの意味。
これをもとに、かかえこむ、つつむの意味を含む
漢字ができています。
包ーつつむ・ホウ
「勹」に「巳=胎児の象形」で、みごもるさまから、
つつむの意味。
包蔵(ほうぞう)
つつみかくす。ひそかに心に抱いていること。
包茅(ほうぼう)
束ねた「ちがや」のことですが、むかし、祭りに
酒を注いでそなえたもので、みつぎものをいう。
抱ーだく・いだく・かかえる・ホウ
「才=手」に「包=つつむ」で、手で包む、いだくの
意味。
泡ーあわ・ホウ
「氵=水」に「包」で、空気を中に包み込んでできあ
かったあわの意味。
泡影(ほうえい)
あわとかげで、はかないことのたとえ。
泡沫(ほうまつ)
沫は空気中に飛び散るしぶきで、泡としぶき。はか
ないもののたとえ。
→泡沫風灯
胞ーホウ
「月=肉」に「包=みごもる」で、胎児を包む膜、
えなの意味。
飽ーあきる・あかす・ホウ
「食」に「包」で、食物を食べてふくれるの意味。
飽食煖衣(ほうしょくだんい)
腹いっぱい食べ、温かい着物を着ていること。
何不自由なく暮らすこと。
庖-くりや・ホウ
「广=家屋」に「包」で、肉を包んでおく部屋、台所
の意味。
包丁(ほうてい・ほうちょう)
昔の中国の名高い料理人の名前が「ほうてい」さ
んで、これから名づけられたのが「ほうちょう」であ
ります。彼は牛の肉と骨を分けるのが
巧みであったといいます。
雹ーひょう・ハク
「雨」に「包」で、雨を包み込んだ形のひょうの意味で、
あられの大きなもの。
皰ーにきび・ホウ
「皮」に「包=あわ」で、皮膚に泡のように生じたに
きび。
炮ーあぶる・ホウ
「火」に「包」で、獣の毛に包まれたまま焼く、丸焼
きの意味。
また、物を包んで焼くの意味。
炮烙の刑(ほうらくのけい)
殷の紂王が愛妾妲己を喜ばせるための見世物と
して作られた刑罰であります。猛火の上にたっぷり
と油を塗った鉄の丸太を渡し、そこに罪人をはだし
で渡らせるというもので、その必死の形相や、滑っ
て丸太にしがみつく様子を見て楽しんだといいます。
この暴君は酒池肉林の饗宴を催したことでも知られ
ますね。
2017.11掲載再考
今日一日幸運でありますように
誤字脱字ご容赦ください。
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店) 成語林(Obunsha)
新明解語源辞典(三省堂) ことわざ辞典(Gakken)
字訓:白川静著(平凡社)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新佛教辞典(誠信書房)
暮らしのことば 語源辞典(講談社)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編
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