ことばの物語
〖図南〗
となん
雄飛(ゆうひ)の企て、または大事業を起こそうと
計画することですが、この由来は『荘子ー逍遥遊』
の寓話からで、とてつもなく壮大なお話しであります。
※「雄飛」とは、雄鳥が大空に飛び上がるように大きな
志を抱いて、盛んに活動すること。
<北海に鯤(こん)という名の魚がいる。その大きさ
は幾千里あろうかわからない。この魚は化して鵬
(ほう)という鳥になる‥‥。
この鳥が振るいたって飛び上がると翼はさ空に垂
れこめる雲のようである。海が荒れだすと南海へ
移ろうとする。・・・・・・・
・・・・・・・・・
風も厚くと積もらなければ鵬の大きな翼をのせる力
はない。それゆえ鵬は九万里の高さまでに上るの
である。
そうしてはじめて風にのることができ、その背中に
青空を負うてさえぎるものはなにもなくなる。
こうして初めて、鵬は南をめざして飛ぼうとするの
である>
「大事を為さんと欲する者は、まず小事を務むべし」
(二宮尊徳)。
準備はできた。帆を挙げろ!
≪仏教語≫
〖孔雀明王〗
くじゃくみょうおう
密教の明王の一つであります。
明王さんですから、本籍はインドの神(女神)であり
ました。
インドでは、孔雀は雨期の到来を告げるとされ、
慈雨をもたらす国鳥となっています。
梵語で「マハー(偉大な)・マユーリ(孔雀)」といわれ、
毒蛇の天敵で、これを食らうところから大切にさ
れています。
毒蛇(煩悩)を食い、人々を救う霊力が備わっている
と考えられ、神格化していきます。
これが仏教に取り入れられ、雨乞い、除災、息災を
祈願する「孔雀法」という密教の本尊となります。
[孔雀]はキジ科の鳥で、中国から東南アジア、南
アジアに棲息して古くからギリシアまで知られてい
ました。
あの美しい羽は雄鶏であります。
アレキザダー大王がインドから持ち帰ったと言われ、
また旧約聖書にはソロモン王の船体が持ち帰ったこ
とがきさいされています。
ギリシア神話では、孔雀はオリンポス十二神の女神
の主神ヘラの聖鳥とされています。
百の目を持つ巨人アルゴスがヘルメスに殺されたと
き、これを弔うため自分の聖鳥の孔雀の羽にアルゴ
スの目を散りばめて飾りにしたと。これから、警戒、
凝視の象徴ともなっています。
美しい羽根は秋に落ち春に生えてくるところから、
イスラムでは再生の象徴となっています。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武
部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
中国名言集(一日一言) 井波律子著/岩波現代文庫
世界の神様解剖図鑑 平藤喜久子著/(株)エクスナレッジ
ブッタいのちの言葉/宮下真著・道元禅の言葉/境野勝悟・
一休禅の言葉/境野勝悟ー知的生きかた文庫
心が晴れる禅の言葉/赤根祥道た著・空海感動の人生学/
大栗道榮・親鸞感動の人生学/山崎龍明—中経文庫