ことばの物語
〖快刀乱麻〗
かいとうらんま
「快刀乱麻を断つ」の略で、こじれた物事を鮮やか
に解決するという意味であります。
「快刀」は切れ味の良い刀、「乱麻」はもつれた麻糸
という意味ですね。
[故事]
<中国の南北朝時代。高歓という武将がいました。
ある時、自分の子供たちの能力を試します。
子供たちにもつれた麻糸を塊をほどかせます。
子供たちが懸命にほどこうとする中、次男の高洋
はいきなり刀を抜いて、糸を断ち切り「乱は斬るべ
し」と言い放ちました。>
もつれた糸はほどこうとすればするほどもつれてし
まいます。
この者は後に北斉王朝の初代皇帝になったと。
ここでは、物事の判断力を問われています。
企業面接で分からないものがやる気と判断力だ
そうです。とっさの時に判断力は発揮されるもので、
また、やる気も面接用のやる気ですから、実際使
ってみないと分からないそうですよ。
〖ゴルティオンの結び目〗
マケドニアのアレキサンダー大王は東征の途中
小アジアのプリキアの都ゴルディオンに着きます。
その町の神殿の柱に、綱で厳重に結ばれた一台
の車を見つけます。そこには「この綱の結び目を
解く者は全世界の王となる」と予言が書かれてい
ましたが、今までに誰もこの結びを解いたものは
いないということでありました。
これを聞いて、アレキサンダー大王は刀を抜いて
この結び目を一刀のもとに断ち切りました。
アレキサンダー大王はヨーロッパからアジア大陸
にまたがる大帝国を築いた大英雄ですね。
≪仏教語≫
〖般若〗
はんにゃ
サンナスクリット語の「プラジュニャー」、パーリ語
の「パンニャー」の漢音訳で、意味は「悟りの智慧」
というもので、世間的な経験・見識・学識のなど
の「利口(小利)な知恵」ではなく、実体として執着
することを離れることから生まれる根源的理性と
いうものであります。
むしろ世間的な小利は悟りの妨げとなります。
(知恵多きは悩み多し。雑念でありますね。
馬鹿になれというのはこのことでもあるようです。)
この般若の智慧は八正道、四諦、六波羅蜜を修め
ることによって得られると。
※八正道・・・仏道修行の基本となる徳目で、正見・
正思惟(しょうしゆい)・正語・正業・正命・正精進・
正念・正定
六波羅蜜・・・布施・持戒・忍辱(にんにく)・精進・
禅定・智慧
とはいわれても、私たちは世の中を楽しみたいで
すね。この中の一つでも人倫の道として心がける
と、の中はもっと住みやすくなるようですが。
せめて淫することなく正しく楽しむことでしょうね。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武
部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
中国名言集(一日一言) 井波律子著/岩波現代文庫
世界の神様解剖図鑑 平藤喜久子著/(株)エクスナレッジ
ブッタいのちの言葉/宮下真著・道元禅の言葉/境野勝悟・
一休禅の言葉/境野勝悟ー知的生きかた文庫
心が晴れる禅の言葉/赤根祥道た著・空海感動の人生学/
大栗道榮・親鸞感動の人生学/山崎龍明—中経文庫