精霊たちーペン画トリミング | ザーアートマンのブログ

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ペン画の展示。絵のサイズはハガキ大です。定年後書き溜めた絵画をできれば毎日一枚展示していきます。

 

 

ことばの物語

 

〖豺狼〗

  さいろう

 

やまいぬと狼ですね。

「豺=やまいぬ」は、イヌ科で赤褐色で性格

獰猛で貪欲で、無慈悲な人にたとえられます

が、一般に豺狼という熟語で用いられます。

 

〖豺〗の字の成り立ちは「豸=むじな偏」に

才=たちきる」であります。

(チ)」は獣が背を丸めて獲物に襲いかかろう

とするさまで、いろいろな獣の名前を表すの文字

がつくられます。

これから「=やまいぬ」は、肉を食いちぎる山犬

を表しています。

 

豺狼路に当たる 安んぞ狐狸(こり)を問わん

 山犬や狼が行く手にいるときは、狐や狸のことなど

 問題にしていられない

ということで、大悪人が重要な地位についてい

るときは、小悪人よりもます、その大悪人を除

かなければないというたとえであります。

これには「故事」があります。

後漢の時代。地方巡察を命じられた張綱という

 者が、地方よりもまず中央の大将軍の梁冀(ちょ

 うき)兄弟の専横を除くことが先だという弾劾文

 を皇帝に奉じた時に書かれた主調であります

権力の習性として、子が親をまねるように親分が

やることを下っ端がまねるものですね。  

頭を抑えることが肝心であります。

 

〖狼〗ーおおかみ・ロウ

字の成り立ちは「けものへん」に「良=冷たく冷え

切った」で、冷酷な性質の獣。

和訓の「おおかみ」の語源は「大神」で、古く日本

では、山の神として信仰されていました。

別説たでは「大噛」からとありました。

(こちらの方が素直ですね。)

 

[野心]

狼の「野性の心」からですね。

『春秋左氏伝』にある故事からであります。

楚国の司馬であった子良に男の子が生まれ

 ます。すると父親が「見ろ。姿は熊や虎のようで、

 声は山犬や狼のようではないか。生かしておけ

 ば必ず一族を滅ぼすであろう。

 諺に狼の子は野生の心を忘れないとあるでは

 ないかと言って、殺してしまえと命じました。

狼は子供の頃から飼いならしても、狼の子は狼

を目指すで、必ず何かの拍子に人間を襲う野性

を秘めているということであります。

これからいつかは主人には刃向かい、とってかわ

ろうとする心を「野心」と呼ぶようなりました。

 

≪仏教語≫

〖迷惑〗

  めいわく

 

日常語としては「他人の行為がもとで、煩わしく

不快を感じること」として用いられますが、本来

仏教語で「さまざまな煩悩が邪魔をして、仏

教の真理がつかめず苦しんだり、それを理解

する道や勉学の方法がわからず迷い惑って、

悟りの道が開けない」ということでありました。

 

ーまよう・メイ

字の成り立ちは「辵=道」に「米=米粒から、多く

のもの」で、道が多すぎてまよう。

 

ーまどう・ワク

字の成り立ちは「或=盛んに現れるさまの擬態

」に「」で、様々な考えが盛んに現れて心を

乱す意。

  「惑溺ーわくでき」・・・本心を失うこと。

 

 

                        今日一日幸運でありますように!

                      

勉強の主な参考書

漢字源(学研) 漢語林(大修館書店) 

新大字典(講談社) 

字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂) 

講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵

漢字の用法ー角川小事典(武

部良明著)

動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール

英米故事伝こ説辞典ー冨山書房

中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)

新明解「四字熟語辞典」 三省堂

新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)

新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂

新明解「類語辞典」(三省堂)

成語林(obunsha)

暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)

哲学用語入門(大和書房/高間直道著)

哲学辞典(平凡社)

漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)

仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)

落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)

中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)

漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)

動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)

植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)

古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)

中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)

中国名言集(一日一言) 井波律子著/岩波現代文庫

世界の神様解剖図鑑 平藤喜久子著/(株)エクスナレッジ 

ブッタいのちの言葉/宮下真著・道元禅の言葉/境野勝悟・

一休禅の言葉/境野勝悟ー知的生きかた文庫

心が晴れる禅の言葉/赤根祥道た著・空海感動の人生学/

大栗道榮・親鸞感動の人生学/山崎龍明—中経文庫