ことばの物語
〖持成〗
おもてなし
日本文化の「おもてなし」は、古くは「持成(物を持
って成し遂げる)」と書きました。
この物とは、目に見える実際の物と、形を持たない
心遣いでありますが、その中でも心使いに重きを
置いた応接であります。
相手の立場に立って敬意を持って応対すること、
つまり自宅に来訪されたお客様に接する時の心構
えを、広く世間に対しても用いることのようですね。
外国人が必ず言う「日本人は礼儀正ししく親切」に
表れていますね。中には「まるでお姫様になったよ
うだった」と言われる方もいます。
アメリカなどは、接客にもお金がかかりますね。
接客の対価がチップなんですね。
ハワイに行ったときなど「ちょっと見ているだけ」
といったとたんに不愛想になり、見向きもしない
でどこかに行ってしまいました。
日本だと「はい、わかりました。どうぞごゆっくり
見てください」といって、いつでもお客様か声を掛
けられるようなところにいますね。
≪仏教語≫
〖三昧〗
ざんまい
日常語としては、
1.あることに集中すること。→読書三昧
2.したい放題にすること。→贅沢三昧
として用いられます。
もとは仏教語で、サンスクリット語の「サマーディ」
の漢音訳であり、意味は「雑念を離れて心を一つ
に集中した忘我の状態」ということであります。
この状態に入ることで、正しい智慧が起り、対象
を正しくとらえることができるとします。
座禅(瞑想)で、精神集中が深まりきった状態の
ことであります。
※サマーディの原義は「組み合わせ」ということで、
「心を斉しく持すること」へと転じていきます。
遊行三昧 (禅語)
ゆうぎょうざんまい
一生死岸頭において大自在を得、
この生死の世界の真っただの中で大自在を得
六道四生の中に向って遊戯三昧ならん
迷いと苦しみの中で遊戯三昧の毎日ということに
なるのだ
「無門関」
遊戯三昧について山田無文老師は次のよう
に言っています。
<働くことがそのまま遊びなんです。
人のためにすることはそのまま遊びなんです。
苦しい目に遭うこともまた、そのまま遊びなん
です。>と。
生きていくうえで是非とも思い起こして欲しい
言葉ですね。(大事、大事であります。)
遊びをせんとや生まれけむ
戯れせんとや生まれけん
(梁塵秘抄)
※・遊行は「自由気ままに遊びほうけること。」
・六道は輪廻転生する世界で、地獄・餓鬼・
畜生・修羅・人間・天。
・四生は仏教が説く生まれ方。
胎生・卵生・湿生・化生の四つ。
湿生は、湿気から生まれるとされる虫類。
化生は、他によって生まれるのではなく、自
らの業力によって忽然と生まれることで、天、
地獄、中有の衆生のことを指します。
中有とは、さ次の生を受けるまでの間の状態
を言います。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武
部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
中国名言集(一日一言) 井波律子著/岩波現代文庫
世界の神様解剖図鑑 平藤喜久子著/(株)エクスナレッジ
ブッタいのちの言葉/宮下真著・道元禅の言葉/境野勝悟・
一休禅の言葉/境野勝悟ー知的生きかた文庫
心が晴れる禅の言葉/赤根祥道た著・空海感動の人生学/
大栗道榮・親鸞感動の人生学/山崎龍明—中経文庫