ことばの物語
〖志学〗
しがく
「十五歳」のことをいいます。
出典は『論語』からで、孔子様が自分の人生を
振り返って述べたものであります。
吾れ十有五にして学に志す。→志学
十五歳で学にこころざした。
三十にして立つ。→而立(じりつ)
三十歳で世に立つ道も明確になった。
四十にして惑わず。→不惑
四十歳であれこれと惑わなくなった。
五十にして天命をしる。→知命
五十歳で天命を知った。
六十にして耳従う。→耳順(じじゅん)
六十歳で人の言葉を素直に聞けるよあになった。
六十歳を還暦というのは、干支(えと:十干十二
支)を組み合わせて60年一廻りとする暦からで
あります。
※十干・・甲・乙・丙・丁・戌・己・庚・辛・任・癸
十二支・・・子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥
七十歳は古希。
これは杜甫の「曲江」という詩の中の
「人生七十古来稀なり」という一節から。
これ以降は文字分解したもので、
喜寿・・七十七歳(喜の草書から)
傘寿・・八十歳(傘の略字・仐から)
米寿・・八十八歳(米の字を分解したもの)
卒寿・・九十歳(卒の略字・卆から)
白寿・・九十九歳(百の上の横棒を取ると白)
〖忸怩〗
じくじ
「残念いでもどかしい」という意味で用いる人が
多いようですが、これは間違いであります。
へ本当の意味は「恥じ入るような思い」のことを
言います。
「忸」ーはじる・ジク・ニク
「心」に「丑=柔らか・いじける」で、心がいじけて
強くなれないこと。
はずかしいことがあれば、必ずいじけるという
ことであります。
「怩」ーはじる・ジ
「心」に「尼=柔らかい」で、いじけてぐずぐずする
柔弱な気持ち。
恥じ入るを重ねた語彙でありますね。
≪仏教語≫
〖慚愧〗
ざんき
「慚愧の念に堪えません」なんて政治家や経営
者などの著名人かよく使いますが、恥ずかしさ
でとても堪えられないとなると、人前に顔は出
せないはずですが。それほど、深い反省の思い
を表した言葉であります。
「慚愧」は日常語としては「恥じること」の意味で
すが、本来は仏教語で「慚」は自分の心の罪を
恥じることで、「愧」は、他人に対して罪をつげて
恥じることであります。
この反対語が「無慚・無残・無慚」であります。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武
部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
中国名言集(一日一言) 井波律子著/岩波現代文庫
世界の神様解剖図鑑 平藤喜久子著/(株)エクスナレッジ
ブッタいのちの言葉/宮下真著・道元禅の言葉/境野勝悟・
一休禅の言葉/境野勝悟ー知的生きかた文庫
心が晴れる禅の言葉/赤根祥道た著・空海感動の人生学/
大栗道榮・親鸞感動の人生学/山崎龍明—中経文庫