精霊たちーペン画トリミング | ザーアートマンのブログ

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ペン画の展示。絵のサイズはハガキ大です。定年後書き溜めた絵画をできれば毎日一枚展示していきます。

 

 

ことばの物語

 

〖豕〗

 いのこ・ぶた

 

」は「イノシシまたはブタの象形」であります。

これに「月=肉づき」を付したのが、イノシシを家畜

化した肥え太った「」であります。

豚は人間に体重、皮膚の状態、内臓の大きさが

類猿人よりも近く、臓器などの移植が研究されて

いるそうです。

 

和訓の「ブタ」の語源は「良く肥てぶたぶたしてい

」という説と、「太=ふと」からという説がありました。

 

豚は日本や中国では幸運、繁栄、富の象徴です

が、キリスト教圏では貪欲と淫欲の象徴であり、

不浄のものとされています。

 

『西遊記』に出てくる猪八戒は北極紫微大帝の配

下で、天界で天の川を管理し、水軍を指揮する天

蓬元帥ありましたが、手癖が悪く西王母の蟠桃会

で酒に酔い嫦娥に強引に言い寄り、天界を追放さ

れます。

そして地上に落ちる時、まっとうな人間になろうとし

ますが誤って豚の胎内にえ落ちて、黒豚の妖怪と

何たのであります。

 

〖キリスト教〗のマタイ伝に次のような話があり

ます。

ゲラサという所でイエスは男に出会います。

 その男は墓場に住み、裸で歩き回り、大声で

 叫んでいた。

 イエスはその男に多くのう悪魔が憑ついてい

 るのを知ります。

 悪魔はイエスが地獄に突き落とすのを恐れ、

 その代わり豚の群れの中に送り込んでくれる

 ようイエスに懇願します。

 イエスがそのようにすると、悪魔たちは豚の胎

 内に入り込みます。そうすると豚は狂ったように

 突進し、断崖から落ちて溺れ死にました。

 豚の蹄の内側にある黒い点は、悪魔が入り込ん

 だ跡だそうです。

この話は何を意味しているのでしょうか。

神学者によると、これは当時のローマ占領軍より

イエスの力が勝っているということが込められて

いるそうです。

 

〖豕を含む漢字〗

ーはげしい・ゲキ

字の成り立ちは「虎の省略+豕+刂(力・後に刃物

となる)」で、虎とイノシシが激しく争う姿であります。

これから、激しく力をこめる意味となります。

※白川静先生によると、「模倣的な儀式を行うために、

虎の皮を身に付けて人がその役割を縁場ている姿で

ある。この人を刀で切り付けてあく虐の者を討伐する

演戯が神前で執り行われた。それは戦勝を祈る儀礼

であったろう。

その時の演戯の動作がはげしかったので「はげしい」

の意味となる。」

 

ーヒン

豕と豕が争うさまで、命がけでやる(豩命・ひんめい)、

押しが強く退かない、かたくなの意味となる。

ちなみに「獄=ごく」は「犭(犬で野獣の代表)+犬」

+言」で、二匹の犬が争っているさまであり、硬く

とげとげしいという意味があります。

まさしく地獄のさまであります。

 

ーお(す)・おさ(える)・ゴウ・コウ

字の成り立ちは「藁の略(高の略)に豕」で、藁の

ように硬い針を持つ豕で、「ヤマアラシ」のことで

あります。

ヤマアラシは気性が荒く、相手がライオンであっ

ても、針を逆立てて攻撃するそうで、それを見た

昔の人は無類の強さを感じたようです。(豪傑)

 

ーつよい・たけし・キ

字の成り立ちは「殳=ほこ・なぐる」に「」で、針を

刺された猪が毛を逆立てて怒る意味。

 

≪仏教語≫

〖無念〗

  むねん

 

日常語として「くやしいこと」を言い、「残念無念

として用いられますが、この「残念」を強調した

ものですね。

本来、仏教語で「無念」は「妄念(迷いの心)の無

事」て、無我の境地に入り何事も思わないこと

ありました

この対が「有念(うねん)」で、それがまだ残っている

のが「残念」であります。

 

 

                        今日一日幸運でありますように!

                      

勉強の主な参考書

漢字源(学研) 漢語林(大修館書店) 

新大字典(講談社) 

字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂) 

講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵

漢字の用法ー角川小事典(武

部良明著)

動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール

英米故事伝こ説辞典ー冨山書房

中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)

新明解「四字熟語辞典」 三省堂

新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)

新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂

新明解「類語辞典」(三省堂)

成語林(obunsha)

暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)

哲学用語入門(大和書房/高間直道著)

哲学辞典(平凡社)

漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)

仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)

落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)

中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)

漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)

動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)

植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)

古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)

中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)

中国名言集(一日一言) 井波律子著/岩波現代文庫

世界の神様解剖図鑑 平藤喜久子著/(株)エクスナレッジ 

ブッタいのちの言葉/宮下真著・道元禅の言葉/境野勝悟・

一休禅の言葉/境野勝悟ー知的生きかた文庫

心が晴れる禅の言葉/赤根祥道た著・空海感動の人生学/

大栗道榮・親鸞感動の人生学/山崎龍明—中経文庫