ことばの物語
故事のある言葉
仏教からの言葉
〖七夕〗
しちせき・たなばた
「七夕」とは「七日の夕(ゆう・晩)」ということであります。
訓の「たなばた」の語源は「機織(たなばた・はたおり)つ女」
の略で、機(はた)を織る女の意味ですね。
日本にはもともと『機織津女』の伝承に基づく行事が
ありました。
<七月六日に天から降りてくる水神に捧げる神聖
布を、穢れのない女性が俗世から離れて「機づく
りの小屋」にこもって機を織り、神の訪れを待ちま
す。七月六日にそこを訪れた神は、翌日の七日に
帰るとされていました。この時に水辺で禊を行うと
、神は町や村に豊穣をもたらし、災厄を持ち去る
と言われるものであります。
(水に笹の葉を流す風習はこれによるもの)>
奈良時代に中国から織女と牽牛の話しに基づく
「乞功奠(きっこうでん)」が伝来し、これがこの日本古
来の儀式と結びついて、現在の「たなばた祭」に繋
がっていますと。
「乞功奠」は牛郎と織女の逢瀬を祝う中国の祭で、
七月七日の晩に織女星は天の川に「鵲(かささぎ)」の
翼を並べて橋にし、それを渡って牽牛星と逢うという
伝説に基づいたものでありました。
この日には、庭に立てた竹に五色の短冊に歌や字
を書いて、供え物をして裁縫と字の上達をお願い
します。
≪仏教語≫
〖流転〗
るてん
♪ 男どうせ一度はあの世とやらえ
落ちて流れて行く身じゃないか・・・・・・
・・・・・・・・・・・
意地は男よ情けは女子(おなご)
ままになるなら男を捨てて
俺も生きたや俺も生きたや
恋のため ♪
歌題 〖流転〗
私の親の世代に流行った歌謡曲でであります。
「俺も生きたや恋のため」、これを実現したのか
井原西鶴の浮世草子『好色一代男』の主人公・
世之介でありました。
「流転」とは、物事が止まることなく移り変わっ
ていくことを言います。
「パンタ・レイ」、万物は流転する。
古代ギリシアの哲学者のヘラクレイトスでありま
す。また、彼は「同じ川に二度と入ることはできな
い」とも言っています。
仏教語で「流転」というと「六道の世界の間に
迷いながら、生まれ変わり死に変わるすること」
を言います。→生々流転
※六道(下から上え)
地獄道・・・苦痛があふれていて、罪を償わせる
世界。
八大地獄
等活地獄・黒縄地獄・衆合地獄・叫喚地
獄・大叫喚地獄・焦熱地獄・大焦熱地獄
阿鼻叫喚地獄(無限地獄)
地獄の残虐な世界はすさまじいですね。人
はなぜか残虐なこと描くについては、想像
力がたくましいですね。
餓鬼道・・・内外障によって飲食することができな
い世界で常に飢餓に苦しむ。
畜生道・・・禽獣の姿に生まれて苦しむ。
修羅道・・・阿修羅の住む処で、始終戦い、争い
のために苦しみ、怒りの絶えない世界。
人間道・・・人間が住む世界で、四苦八苦の苦し
みがある。
天道・・・・苦しみや迷いのない世界で、長寿です
が死からは免れていません。
天人(天部)が住んでいます。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武
部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
中国名言集(一日一言) 井波律子著/岩波現代文庫
世界の神様解剖図鑑 平藤喜久子著/(株)エクスナレッジ
ブッタいのちの言葉/宮下真著・道元禅の言葉/境野勝悟・
一休禅の言葉/境野勝悟ー知的生きかた文庫
心が晴れる禅の言葉/赤根祥道た著・空海感動の人生学/
大栗道榮・親鸞感動の人生学/山崎龍明—中経の文庫