精霊たちーペン画トリミング | ザーアートマンのブログ

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ペン画の展示。絵のサイズはハガキ大です。定年後書き溜めた絵画をできれば毎日一枚展示していきます。

           

 

 

 

言葉の物語

  <ーゲツ・ガツ・つき>

 

月宮

昔々、月には宮殿がありました。いや、そう思ったんですね。

月よりの使者、月光仮面はスーパーカブに乗って、

地球へやって来ました。

かぐや姫は、月の御所車に乗って、月へ帰って行きました。

風流人は、花鳥風月に思いを馳せたました。

月は一つのユートピアでありました。

行ってみたいな月の国。

そして、とうとう行っちゃいました。

月の砂漠をはるばると♪♪

そしたら、茫漠とした砂漠だけでありました。

夢は夢としてとっておかないと。

ユートピアは「どこにもない国」と言ってるではないですか。

 

うさぎうざ 何見てはねる

十五夜お月さん見てはねる♪♪

 

月と兎のお話し、ありますよ。

ある時、猿と狐と兎が、山中で倒れている老人に出会いました。

三匹は老人を助けようと奔走しました。

猿は木の実を、狐は魚を取ってきて、老人に与えました。

兎はなにも得ることが出来ませんでした。

「この役立たず」と、ウサギは嘆きました。

そして、猿と狐に頼みます。「火を焚いてください」。

兎はめらめらと燃える火の中に、身を投じました。

「私を食べてください」。

jまさに捨身飼虎

老人は帝釈天の化身でした

兎の慈悲心に感じ入った帝釈天は、

兎を月に昇らせ、その姿を月に留めました。

   <ジャタカ(仏教説話集)・今昔物語にある話>

 

もう一つは、月に住むという美女嫦娥〈ジョウガ〉の話し。

ある時、太陽は10人の息子を儲けました。

そして、この息子たちにね一人づつ交代で地を照らすように命じました。

順調に事は為されていたのに、どう間違ったのか、全員が地を照らして

しまいました。

地は灼熱の地獄と化しました。

(伝説上の王)は、弓の名手羿(ゲイ・もと天人)に、その太陽を射落とす

事を命じます。そうすると、羿は過たず1個を残して射落とします。

その褒賞に、西王母の持つ不死の仙薬(桃)を2個もらってきます。

それは、1個飲むと不死になり、2個飲むと天界戻れるものでした。

天界に戻ることをあきらめて、妻の嫦娥と一ずつ飲んで、この地上で

不死で暮らそうと思っていたのに、

嫦娥はこれを盗んで一人で飲んでしまい、

月へ逃げて行ってしまいました。

他の話しでは、罰を受けた嫦娥は蟇蛙になって月に住んでいるとも。

その後、羿は十五夜にお団子を備え嫦娥の帰りのを願ったといいます。

 

中国の月の兎は仙薬をつき、日本の月の兎は餅をついていると、ですよ。

話の話し。尾ひれがついて面白い。

 

月づきに月見る月は多けれど

月見る月はこの月の月

 

この歌も、ウサギの童謡も、作者不詳。

なんか面白くありません?

 

字源はいたって簡単。

<つきの欠けた形にかたどる。>

 

月に喘ぐ

呉の地方の牛が、炎熱を恐れるあまり、

月を見ても恐れるようになったという話から、

過度に恐れることを言う。

これ取り越し苦労ですね。

何事も結果の良し悪しに関係なく、何とかなるもんで、

何とかなったから、今ここにこうしているわけであります。

 

月明らかに星稀なり(文選)

すぐれた賢者が出て、小人の影が薄くなる。

よくありますよね、偉そうなこと言ってたやつがしぼんじゃうって。

 

月満ちれば則ち虧(か)(史記)

物事が盛んになると、必ず衰えるのたとえ。

    盛者必衰の理をあらわす 

    おごれるもの久しからず

    唯春の夢のごとし

と、平家物語も言ってます。

 

月望(ゲッポウ)

十五夜望月

    願わくば 花の下にて春死なん

                その望月の如月の頃     (西行)

 

月旦

人物の批評。

後漢の許劭(キョショウ)が毎月のついたちに、友人と郷里の

人物を批評し合った故事から。

 

名月をとってくれろと泣くこかな

                   (一茶)

さて、空の月か、水に映った月か?

李白は酔って、水に映る月を取ろうとして、

舟から落ちて死んだという。

もしかして、酒仙李白も月宮の人?

故郷を懐かしんで、月を取ろうとしたのではないでしょうか。

 
2017.9掲載再考

 

 

 

今日一日 幸運でありますように!

 

                  誤字脱字ご容赦ください。