ことばの物語
故事のある言葉
仏教からの言葉
〖扶桑〗
ふそう
中国の伝説で東の果てにあるとされるとてつも
ない巨木であります。
〖山海経〗によると、この木の根元には湯谷が
あり、一日働いた太陽がこの湯につかり、疲れ
をいやすといわれています。
神話では殷の祖先神とされる帝俊の息子の十個
の太陽が毎日交代で、この木を伝って天空に昇り、
西に向かうとされていました。
これから、扶桑は東の地を意味するようになり、
中国の東の果てにある日本は、扶桑国と呼ば
れることもあり、平安期には日本も扶桑を自国の
異称として使うことがあったようです。
ある時、この十個の太陽が一緒に天空に昇ったこ
とがありました。地上は灼熱地獄と化し、焼け野原
となり、河は干上がりてしまいました。
帝俊は弓の名手后羿(こうげい)に対処するように
命じます。
羿は九個の太陽を射落として、事態を収集します。
ここまでは良かったのですが、問題は解決したと
いえ荒っぽい方法で我が子を殺した羿に帝俊は
腹の虫がおさまらず、彼をその妻嫦娥と供に天
界から追放しました。
≪仏教語≫
〖出世〗
しゅっせ
日常語としては「社会的地位が上がること」を意
味しますが、もともとは仏教語からで、大別して二
つの意味があります。
○仏が衆生を救うために、この世に仮の人間の
姿となって現れること。
○「出世間」という意味で、世間を超越して俗世
間から離れること。いわゆる出家仏道に入り
僧に なること。
禅宗で、寺院の住持(住職・主僧)になることをも
いい、これが日常語の立身出世の意味として用い
られるようになったそうです。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武
部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
中国名言集(一日一言) 井波律子著/岩波現代文庫
世界の神様解剖図鑑 平藤喜久子著/(株)エクスナレッジ
ブッタいのちの言葉/宮下真著・道元禅の言葉/境野勝悟・
一休禅の言葉/境野勝悟ー知的生きかた文庫
心が晴れる禅の言葉/赤根祥道た著・空海感動の人生学/
大栗道榮・親鸞感動の人生学/山崎龍明—中経の文庫