精霊たちーペン画トリミング | ザーアートマンのブログ

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ペン画の展示。絵のサイズはハガキ大です。定年後書き溜めた絵画をできれば毎日一枚展示していきます。

      

 

 

言葉の物語

  <ーセキ・ジャク・コク・いし>

「石の祟りは大きい」と言うようなことを、聞いたことがあ

ります。

そのため、庭石を動かすにしても、御祓いをするとか。

いいかげんに扱うと、怒るんですよ。

 

澁澤龍彦著『東西不思議物語』に中に、石について

3つの不思議な話があります。

一つは、スペインの話で、暖炉の灰を掻き分けると

火床の石に等身大の顔の姿が。

それを3cmばかりの厚さコンクリートで塗り固めたが、

またしても、その顔の姿が浮かび出てきた。

そこで、暖炉の石を引きはがし、2mばかり掘り進むと

そこに墓らしき跡がみつかり、土の中から人間の骨が

でてきたという。

二つ目は、「長崎の魚石」の話で、水気を吹き出してい

る石を割ったら水と一緒に水魚が飛び出してきたという。

三つ目は、同じく水気を生ずる石で、

ある時、雨が激しく降り、雷鳴が鳴り、その石を納めて

いた堂の中から黒雲が起こった。

その後、様子を見に行くと、石は二つに割れて、

竜が昇天したような様子が見られたという。

この二つの話は『耳袋』という本にあるそうです。

『耳袋』は江戸時代の根岸鎮衛という人が、珍談、奇談

を集めて書いたもの。

 

確かに、石の中には宝石や貴金属などあったり、化石な

んかも出てきて、また、身体は結石を作ったりします。

不思議と言えば不思議で、信仰の対象にもなっていま

すね。

 

第一の辞書

<「」はかげの形「」に<落ちている石を形どったも

 の。>

第二の辞書

<かげの下に口型の石があるさまを描いたもの。>

第三の辞書に、「厂」は「山かげ」と書いてありました。

どうでしょうか、岩と区別するため、すっぽりとかげにつ

つまれる小さいものを表そうとしたのではと思うのですが。

 

石に漱(くちすす)ぎ流れに枕す

漱石枕流

夏目漱石のペンネームの元になった話ですね。

もっとも、このペンネームは、友人の正岡子規から

もらったものだそうです。

本来は「流れに漱ぎ石に枕す」というところを間違えたん

ですが、それを認めず、石は歯を磨くため、水は耳を洗う

ためと、屁理屈をこねた負け惜しみですね。

この機転から、「流石=さすが」という言葉も生まれま

した。

 

石を射て虎となす

 一念岩も徹すですね。

漢の弓の名人李広が、石を虎と見間違えて矢を射た。

その矢はみごとに石に突き刺さっていた。

そんなことがあるのかと、石を石としてあらためて射た

ところ矢は突き刺さることはなかったという。

一念のすごさですね。

 

石楠花

しゃくなげ。

 

石鼠(セキソ)

けらのこと。

 

石火

火打石から出る火。

電光石火

非常に短い時間のことですね。

 

石鏡(セッキョウ)

中国は廬山の南、石鏡峰の山上にあると言われる丸い

石で、物を映したという。

 

石婦(セキフ)

遠征した夫を待ち焦がれて石になったという女性。

旧約聖書に出てくるロトの妻は、決して振り返るなとの

神の命にそむき、ついソドムの町を振り返った。

そうすると、ロトの妻は石になってしまったという。

また、娘の死を悼むあまり、石になった父親の話があ

ります。

真の悲しみは、沈黙するものであるという。

石になるんですね。

 

石骨

ごつごつとした山の石。

 

石臼切らんより茶臼切れ

同じ労力をかけるなら、価値の高いものを作れ。

労多くして益少なしは、なんと疲れることでしょう。

遣り甲斐は、苦労を苦労でなくするものですね。

 

石に蒲団は着せられず

石とは墓石のこと。

孝行のしたい時分に親はなしですね。

特別なことをしなくてもいいんです。

ちょくちょく親に顔を見せることですね。

それが一番の親孝行。

私は、めったに親に顔を見せに行かなかった。

悔いが残るばかりです。

 
2017.9掲載再考

 

今日一日 幸運でありますように!

 

                誤字脱字ご容赦ください。