ことばの物語
故事のある言葉
仏教からの言葉
〖月桂冠〗
けっけいかん
月桂樹の葉の付いた枝をリング状に編んだ冠で
競技の優勝者に授与されるもの。
マラソンの勝者に贈られるのを今日でも見かけま
すね。
また、桂冠詩人という優れた詩人に与えられる称
号もありました。
このの由来は、ギリシア神話にあります。
<月桂樹は太陽神アポロンの聖樹であります。
うテッサリアの川の神ベーネイオスの子に
ダフネという美しい乙女がいました。ある時、
アポロンはその乙女の姿を見て一目惚れします。
そしてダフネの後を追いかけます。それに恐れを
なしたダフネは父親の元へと懸命に逃げます。
そしていよいよ捉まれようとする時、川の神の父
に助けを求めて叫びます。そこで川の神の父親が
ダフネを一本の月桂樹に変えました。
それ以後アポロンは彼女を憐れんで、この月桂
樹の枝から冠を作りつねに身に着けたと。>
月桂冠の授与の始まりは、アポロン神殿がある
デルフォイのピティア競技祭からだそうです。
※ピューティアはデルフォイの神託所に仕えた
アポロンの神官で予言の才知でしられていました。
≪仏教語≫
〖機嫌〗
きげん
「機嫌」というと「御機嫌いかがですか」というよう
に遣いますが、これは一般的に「人の気分の善
悪を表現」する時につかいますね。
※上機嫌・不機嫌・御機嫌ななめなと。
また「御機嫌よう」というと「健康を祝し、また
祈っていう挨拶」の言葉ですね。
この機嫌のもとは仏教語で、本来は「譏嫌」であり
ます。「譏=そしる」と「嫌=きらう」で、日常語の意味
と真逆であります。それは、仏教の僧に対する戒
めで、譏られたり嫌われたりしないようにという
「息世譏嫌戒」というものでありした。
僧は修行に専念するために、労働をせず生活の
糧は民衆の布施に頼る所から、世間から嫌われる
ことなく尊敬されなければならないということであり
ます。(その一つが禁酒であり、臭いの強い物を食
べないということで、不快に思われることをしない
ということですね。)
これから、他人の内心や思惑を指すようになり、
安否、様子と意味が広がっていきました。
昨今ではあまり使われないようですが「機嫌」は
次のような意味もあります。
○時機・都合・場合。
○様子・事情・起居・安否。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武
部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
中国名言集(一日一言) 井波律子著/岩波現代文庫
世界の神様解剖図鑑 平藤喜久子著/(株)エクスナレッジ
ブッタいのちの言葉/宮下真著・道元禅の言葉/境野勝悟・
一休禅の言葉/境野勝悟ー知的生きかた文庫
心が晴れる禅の言葉/赤根祥道た著・空海感動の人生学/
大栗道榮・親鸞感動の人生学/山崎龍明—中経の文庫