ことばの物語
故事のある言葉
仏教からの言葉
〖刑罰〗
けいばつ
罪を犯した者への罰、おしおき、咎め。
〖古代中国の五刑〗
『詩経』『周礼』に書かれているそうです。
墨(ぼく)・・・入れ墨。(鯨ともいう)
劓(ぎ)・・・・鼻削ぎ。
剕(ひ)・・・・足切り(臏ともいう)
兵法家・孫臏はこの刑を受けます。
剕はアキレス腱を斬る刑。
臏は膝の皿を取り去る刑。
宮(きゅう)・・去勢の刑。(腐ともいう)
司馬遷はこの刑を受けます。
大辟(たいひ)・・・・死刑。(殺ともいう)
前漢以降、肉刑は更生を難しくするものとして廃さ
れ、次のようになります。
笞刑(ちっけい・むち打ちの刑)
杖刑(じょうけい・つえうちの刑)
徒刑(ずけい・強制労働)
流罪(るざい・島流し)
死刑(しけい)
この制度が唐から日本へ伝わり、大宝律令で
採用されます。
〖入れ墨刑からできた漢字〗
童ーわらべ・ドウ
もとは「辛=入れ墨を入れる針+目」からなり、
目の上に刑罰として入れ墨をすることで、それら
の者は奴隷、もしくはしもべとされました。
このような者は髷(まげ)を結うことができず、子供
と同じ状態でありました。これから「子供・わらべ」
の意味となりました。
罪ーつみ・ザイ
もとは「辠」で「自=はな+辛」で、刑罰として鼻に
入れ墨をすることでありました。
〖刑罰からの成語〗
引っ張りだこ
大勢に求められる人物。
語源は、磔(はりつけ)の刑でた足を広げて縛り
付けられたさまが、手足を四方に引っ張って作
る蛸の干物に似ているところからであります。
八つ裂き
ずたずたにすること。
これは車裂きの刑からで、極刑に処しても飽き
足りないほど憎い気持ちを表したもの。
八つ裂きの刑は身体を引き裂く刑で、二両の車
もしくは二頭の牛に罪人の足を片方ずつ縛り付
け、反対方向に走らせて引き裂く刑でありました。
≪仏教語≫
〖三身〗
さんじん
「三身」とは仏の応身仏・報身仏・法身仏という姿
を表します。
仏典『十地経論』に
「一切の仏に三種の仏あり。一に応身仏、二に報身
仏、三に法身仏なり」と。
この三身が具現していることを「三身即一」、つまり
三位一体ということですね。
応身仏(おうじんぶつ)
衆生を救うためにその機根(素質)に応じた種々の
姿を取って現れた仏。(釈迦・菩薩など)
報身仏(ほうじんぶつ)
菩薩であったとき願いを立て、修行の成就によっ
て得た仏身。(阿弥陀如来など)
法身仏(ほっしんぶつ)
永遠不滅の真理(うち夕の真理)をあらわしたも
ので仏の本身。(密教の大日如来・華厳宗の
毘盧遮那仏)
キリスト教で「三位一体」というと、創造主としての
父なる神と、贖罪者として世に現れた子なる神と、
進行経験に顕示された聖霊なる神とが、唯一なる
神の位格(ペルソナ)であるとする説。
(広辞苑)
(父と子と聖霊は一体ということですね。)
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武
部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
中国名言集(一日一言) 井波律子著/岩波現代文庫
世界の神様解剖図鑑 平藤喜久子著/(株)エクスナレッジ
ブッタいのちの言葉/宮下真著・道元禅の言葉/境野勝悟・
一休禅の言葉/境野勝悟ー知的生きかた文庫
心が晴れる禅の言葉/赤根祥道た著・空海感動の人生学/
大栗道榮・親鸞感動の人生学/山崎龍明—中経の文庫