ことばの物語
故事のある言葉
仏教からの言葉
〖騎虎之勢〗
きこのいきおい
虎の背に乗って走り出すとその勢いが激しくて、
降りられない。また、降りられたとしても、食べられてし
まうということから、いったんやり始めたら途中でやめ
られないということであります。
<隋の高祖楊堅は、南北朝時代の北周の宣帝の家
臣で、娘は帝の妃(皇后)でありましたが、宣帝ににら
まれて影を潜めていました。
その宣帝が死ぬと、娘の皇后に代わって朝廷の政務
を牛耳り、百官に命を下すようになります。
そして北周を打倒しようと画策し始め、それが外部に
知られるようになります。気丈な楊堅の妃の独孤伽羅
は臣下を使わして「大事はもはや事実となりました、
こうなったらもう騎虎之勢、一徹に止まることは難し
くなりました。頑張って突き進んでください。」と楊堅に
伝えさせたといいます。>
※独孤氏は北周の大司馬(軍事総監に当たる大臣)で、楊堅を
見込んで14歳の娘の伽羅を嫁がせます。
そして、伽羅は皇后になります。
伽羅は楊堅が政務につくと、宮官にちくいち皇帝の判断を報告
させ、誤りがあると遠慮なく諫めたとい います。
伽羅は臣下にも信認があって、楊堅と並んで「二聖」と呼ばれた
といいます。
<仏教語>
〖迷信〗めいしん
迷信と言うと一般に「迷妄と考えられる民間信仰。
また道理に合わない言い伝え」をいいますが、
仏教語では書いて字のごとく「信に迷う」というこ
とであります。
[信とは心を清浄にする精神の作用のことで、仏道の
第一歩であると。
心を清浄にして教えを疑わず、その教えに向かう
こと。これに迷いがあることが「迷信」であります。
自分がどうしていいのが迷ってしまい、どれを信じてい
いのか、だれを信じていいのか、不安にさいなまれて
しまった心のことであります。]
信仰は理屈抜きでただひたすら信じることですが、
盲信するとカルトであることに気付かない危険性が
ありますね。
親鸞は言っています「たとい法然聖人にすかされま
いらせて(騙されて)念仏して地獄に堕ちたりとも、さ
らに後悔すべからず候」と。
これがまさしく「信」であります
<漢字の勉強>
騎ーのる・キ
「馬」に「奇=かぎ型に曲がる」で、両足を曲げて馬に
のる意。
(単語家族) 寄ーもたれる 加ー上に乗せる
駕ー馬にくびきをつける 荷ー方に乗せ背負う
迷ーまよい・まよう・メイ
「辵=道」に「米=多くのもの」で、道が多すぎてまよう。
※(別説)「米=で見えにくい」。
信ーまこと・のびる・シン
「人」に「言=辛(刑罰の入れ墨の針)+口」で、発言に
嘘があれば受刑することを誓うさまから、まことの
意味。
信天翁(あほうどり)
漢語の「信天翁(シンテンオウ)」は、天を信じて運を
天に任せる翁と言う意味から。
和訓の「あほうどり」は「阿呆鳥」と言う意で、無人島
に棲むため、他人に警戒心がなく容易につかまると
ころからで、現在絶滅危惧種にあります。
信太妻(しのだづま)
「葛葉」と呼ばれる信太明神の狐の化身で、安倍晴明
の母と言われます。正体がばれて離れるに詠んだ歌
恋しくば尋ね来て身よ 和泉の信太の森の
うらみ葛葉
花信(かしん)
花だよりのこと。
春の初めに花が開くことを知らせる風を「花信風」と
といいます。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
