ことばの物語
≪くすし・いしゃー薬師・医者≫
生まれてこの方、お医者様にはお世話になりっぱなし。
私を育てるのに一番お金がかかったのが医療費であ
りました。
貧しい家庭には医療費はとても大変でありました。
現在も通院中であります。
〖医者〗
調べてみると一番古い字は「毉=くすし」であります。
次に「醫」となり、現用の「医」となっていきます。
『毉』の字を分解すると「医+殳+巫」となります。
「医」は「匚=隠された場所」に「矢=悪霊を祓う矢」。
「殳」は「撃つ」で、掛け声をかけて矢を撃つということ
示しています。
それを行ったのが「巫=みこ・かんなぎ」でありました。
古代においては、「病」は悪霊の仕業と考えられてい
ていました。
〖醫〗の下の字は「酒」の省略形であります。
そのうたち、お祓いから生薬を用いた治療が発達し
てきます。その中で多く用いられたのがお酒であり
ました。(傷口の消毒・麻酔剤などとして)
まさしく「酒は百薬の長」でありました。
漢方医学の神は中国の三皇五帝の一人炎帝(神農)
であります。
神農は頭部と四肢を除いで、身体か透けて見えたと
いいます。
神農は自ら百草を甞め、毒薬と薬草を調べたました。
毒草の場合は、内臓が黒く見えたといいます。
最後には「断腸草」という草を甞めて、腸が断ち切れ
て死んでしまったと。
長い歴史の中で、「腹痛で〇〇草を食べたら治った」
なんてことで、生薬が人々に広まっていったんでしょ
うね。
薮医=野巫医
藪医者というと、腕の悪い医者ということですね。
語源は「野巫=田舎の巫師」からで、藪深い(何がある
かわからない・あやしい)ところの医者という意で「藪」
を当てたものだと。
薬師ーくすし
医者の呼称。
語源は「奇(くす)し=霊妙なもの・不思議なもの」から
だそうで、古語で薬を用いることを「くすす」といったと。
ちなみに、日本神道の医神は大己貴(おおむなち)・
少彦名(すくなひこな)であります。
薬師如来
薬師瑠璃光如来、大医王仏、医王善逝などともいわ
れます。
東方瑠璃浄土の教主(西方浄土は阿弥陀如来)で、
左手に薬壺を持ち、右手は施無畏(せむい)の印形。
日光、月光菩薩を脇寺とします。(薬師三尊)
眷属に十二神将がいます。
※眷属とは侍者、従者などの随伴者のこと。
【薬指】の名称の語源は「薬を溶く時にこの指を使った」
ところから。
薬ーくすり・ヤク
字の成り立ちは「艸=くさ」に「楽=了・料・療に通じ、
おさめるの意」で、病気を終わらせる草。
〖補〗
快楽の楽に関係づけて、病を治して楽にしてくれると
いうのは俗説だそうです。
薬は音楽の「楽」と関係があって、石製の打楽器の音を
視覚的にに表現したもので、「粒上の点々としたもの」。
「療」も古くは「疒の中は楽」でありました。
別説には「楽=巫女が振る手鈴のこと」で、巫医による
病気平癒の意からというのがありました。
師ーもろもろ・シ
字の成り立ちは「大きな切り肉の象形」に「帀=辛の
省略形で刃物」で、敵を処罰するという目的で、祭肉を
奉じ出発する軍隊の意味。
転じて、指導者の意味を表す。
師・・・物事を専門に行う人。→医師・技師・美容師など
士・・・資格を持っている人。→博士・学士など
司・・・公の仕事を主とする人。→宮司・保護司など
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
