ことばの物語
≪したん・しいぎー四端・四威儀≫
〖四端〗
孔子が唱えた「仁・義・礼・智」の端緒として、人に身体
に備わっている四つの手足と同じように、心中に備わっ
ているものとして孟子が唱えたもの。
1.惻隠(そくいん)の情→仁
[惻隠]困っている人を見て、いたたまれなく思う心。
(幼児が井戸に落ちそうなのを見て助けようと
する。これは利害、損得を越えた自然な感情)
↓
[仁]人を思いやること。孔子はこれを最高の道徳と
します。
2.羞悪→義
[羞悪]不正や悪を憎む心。
↓
[義]利と対比される概念で、私欲にとらわれず、
なすべきことをなすこと。
3.辞譲→礼
[辞譲]譲ってへりくだる心
↓
[礼]仁を具こと。体的な行動として表したもの。
もとは宗教儀礼、伝統的な習慣、制度を
意味するものでありました。
4.是非→智
[是非]正しいこと、間違っていることを判断する能力。
↓
「智」道理をよく知り得ること。
この四徳を身に付けることで養われる精神が「浩然の気」
であると孟子は言っています。
※浩然の気とは、俗事から解放された屈託のない心境
で得られるとする、天地間に満ちる盛んな精気。
この四徳に「信」を加えたものを五常といいます。
[信]は友情に厚く、言明を違えない、真実を告げること、
約束を守ること、誠実であることであります。
政治の嘘は腐敗、独裁の始まりと考えられますね。
〖四威儀〗
「威儀を正す」というと、身なりや形を整えて作法にか
なった立ち居振る舞いのことで、古くは中国の礼儀に
関する細かい規則のことでありました。
仏教では「四威儀」といって、日常生活の四つの場面
に威儀を正す規律があります。
・行(ぎょう)~行き来する動作。
・住(じゅう)~とどまること。
・坐(ざ)~すわること。
・臥(が)~横になること。
日常茶飯がすべて修行であるという事ですね。
威ーおどす・たけし・イ
字の成り立ちは「戊=ほこ・武器」に「女」で、力で上から
押さえつける。
儀ーのり(法)・ギ
「義」は羊を鋸で二つに切り離し、その羊が神に供える
生贄として完全あることを確かめ、生贄として義(ただ)しい
ものであるという意味。そのいけにの字としてはのちに
「犠」を使う。犠牲を供えて行う儀式のときの儀礼作法に
かなったおごそかな姿を「儀」といい「ようす、ただしい、
のり」の意味となる。儀は儀礼に関する語に使われる
ことが多い。 (常用字解/白川静著・平凡社)
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社) 字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版
