ことばの物語
≪みちー道・途・路・径≫
〖三途の川〗さんずのかわ
人が死んで七日目に渡るとされる川で、冥土の閻魔
庁に行く途中にあるとされます。
ここを渡って閻魔大王の審判によって、それぞれの犯
した罪によって三悪道(途)へと振り割れられます。
※三悪道(趣)とは、餓鬼道・畜生道・地獄のこと。
これらの上に修羅道→人道→天道があり、合わせ
て六道といいます。
三途の川の渡し守が脱衣婆とその夫の懸衣翁で、
渡し賃が六文であります。駄賃のないものは、ここで
この婆から衣をはぎ取られ、その衣を翁が気に懸ける
といわれます。
※真田軍の六文銭の旗印は、生きて帰らないという覚悟を示した
ものであります。
三途の川の河原が「賽(さい)の河原」であります。
三途の川の渡り方には三通りあり、現世で罪を犯して
いない者は橋を渡され、罪の軽いものは浅い(浅水瀬)
所を渡され、罪の重いものは山よりも高い深いところ
(江深淵)を渡されます。
世界の多くの国に、これと同じような伝承があると。
中国では忘川、または奈河といわれ、まず記憶を消し
去る孟婆湯というものを飲まされるそうで、ここの渡し
守が牛頭馬頭であります。
ギリシア神話ではこの世を取り巻くステュクス川の支
流アケローン(悲嘆)川が冥土への川で、渡し守の
カロンのこぐ舟で冥土へと運ばれます。この時の渡し
賃が1オポロスといわれ、死者に口にこの銀貨を含ま
せる習慣があったといいます。
道ーみち・ドウ・トウ
字の成り立ちは「辵=行く」に「首」で、異民族の首を埋
めて清められたみちの意味。
(補)
古い時代には、他民族のいる土地はその民族の霊や
邪霊がいて災いをもたらすと考えられていました。
そこで、異民族の首を持ちその呪力で邪霊を祓い清め
て進んだところが道であります。
「導」くという字は「道+寸(手)」で、この首をもって先導
するところから、みちびくという意味となります。
途ーみち・ト
字の成り立ちは「辵=行く」に「余=のびるの意味」で、
どこまでも続くこみち、みちすじの意味。
途次(とじ)
みちすがら。道のついで。
途上(とじょう)
道のほとり。路上。物事の発展途上。
【日本独自の用い方】
途絶(とぜつ)
ふさがってたどえる。
途端(とたん)
ちょうどそのとき。
途方(とほう)
てだて。手段。すじみち。
路ーみち・じ・ロ・ル
字の成り立ちは「足」に「各=あしに堅い石」で、もと
連絡みちのこと。
【字義】
・太いみちをつなぐよこみち。連絡のみち。
転じて広くみち。→道路
路銀(ろぎん)
日本で旅の費用、旅費のことをいう。
路地(ろじ)
日本で家と家をつなぐ狭い道をいう。
路傍(ろぼう)
道端。
径ーこみち・みち・ケイ・キョウ
字の成り立ちは「行く」に「茎」で、両地点をつないだ
まっすぐな近いみちの意味。
〖常用のみちの違い〗
道ー人が行き来する普通のみち。
人の行うべき正しいみち。
途ー目的地まで行くその途中。
目的の物事を行うやり方。(解決の途を探る)
路ー特に大きく広いみち。(都大路)
径ー特に小さく狭いみち。(径ーこみちとも読みます)
誤字脱字ご容赦ください。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社) 字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版
