ことばの物語
≪あみー网・罔・網・羅≫
「網羅」というと、残さず取り入れるという意味で
すが、網は魚を捕るあみで、羅は鳥や小動物
を捕らえるあみのこと。
羅は今では羅紗のように、目の粗い織物のこ
とに使われます。
これが「羅網」と倒置されると、浄土や天界にあ
るとされる宝玉を連ねた網のことをいい、また仏
殿や仏像を飾る荘厳具のことをもいいます。
网-あみ・ボウ・モウ
字の成り立ちは「あみの象形」で、罔の原字で、
これがまた網の原字となります。
罔ーあみ・ボウ・モウ
字の成り立ちは「网」に「亡=おおいかくす」で、
おうて捕らえるあみの意味。
「亡」に通じで、「ない」の意味をも表す。
網ーあみ・ボウ・モウ
魚や野獣をとりこめ、隠して見えなくするあみ。
転じで、広くあみの目状をなしたもの。
網代(あじろ)
・ヒノキや竹などを網目のように組み合わせた
もの。垣根や風よけ天井などに使う。
・冬川の中に竹、木を組み連ねたものを入れて、
網の代わりに魚を捕らえる装置。
日本では、魚の取れ高に対して配当される利益
を言う。
網虫
蜘蛛のことで、網糸というと蜘蛛の巣のこと。
羅ーあみ・つらねる・ラ
字の成り立ちは「四=网」に「維=糸に隹(とり)で
鳥をつなぐ」で、あみ、つらなるの意味。
羅宇(らう)=らお
きせるの雁首と吸い口をつないでいる竹で、
これに初め使われたラオスの黒い斑点のある
竹の名前から名付けられたと。
昔、ラオ屋という竹をすげ替える商売がありま
した。
羅紗(らしゃ)
ポルトガル語の音訳で、厚くて織目の細かい
毛織物。
羅刹(らせつ)
梵語の音訳で、足が速く力が強く人をだまし、
人を食うという悪鬼。
夜叉と共に毘沙門天の眷属(=血筋)とされます。
後に仏教に帰依し、仏法の守護神となります。
羅城門(らじょうもん)
羅城は都城を取り囲む城壁で、その正面にあ
る門。京の朱雀大路の南端にあり、朱雀門は
北端にあります。帝は南向きに座するところか
ら南が正面となります。
<羅城門に鬼が棲むと。渡辺綱がこの鬼退治
に向かいます。
そうすると背後から兜をつかむものが・・・。
すかさす、綱は太刀を抜いて斬りつけ、鬼の
片腕を斬り落とします。鬼は「時節を待って取
り換えすべし」と叫び、黒雲のかなたへ。>
この鬼は酒呑童子の第一の家来、茨城童子
であります。
この話の場面は一条戻り橋ともいわれ、後に
鬼は綱の叔母に化けて片腕を取り戻しにやっ
てきます。
2018.5掲載再考
今日一日幸運でありますように
誤字脱字ご容赦ください。
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店) 成語林(Obunsha)
新明解語源辞典(三省堂) ことわざ辞典(Gakken)
字訓:白川静著(平凡社)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新佛教辞典(誠信書房)
暮らしのことば 語源辞典(講談社)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
