ことばの物語
≪之Ⅱーこれ・ゆく・シ≫
「之=ゆく」を共有する字ー「之」の音符を含む
形成文字
形成文字は、意義を表す意符と音を表す音部を
合体させたもの。
「河」は「水+可(音符)」で、漢字の八割以上が
形成文字でありますと。
時ーとき・ジ
「日」に「寺=之に通じゆく」で、すすみゆく日、
ときの意味。
時耶命耶(ときかめいか)
時のめぐりあわせであろうか天命によるもの
であろうか。
時に及んでまさに勉励すべし
学ぶべき時を失うことなく、つとめ励むべきで
ある。
国破れて山河あり
城春にして草木深し
時に感じては 花にも涙を濺(そそ)ぎ・・・・・
(この戦乱の時を思うと花を見ても涙が落ち
杜甫/春望
詩ーからうた(唐歌)・シ
「寺」は例により「之に通じすすむ」で、内面的
なものが言語表現に向かっていたもの、うた
の意味。
唐歌は漢詩のことでこれに対するのが大和歌、
和歌でありますね。
詩経(しきょう)
中国最古の詩集で、王が各地の歌謡を集めたも
の(約三千編)で、之を孔子が三百一編を選んで
儒教の経典としてもの。
「詩集」ですが「詩経」といわれるのはこれにより
ますね。
内容は儀式用(音楽の歌詞で、大雅と小雅があり
ます)、祭典用(廟歌で頌(しょう/たたえる意味)と
いわれます)、大半を占める民謡(国風)に別れて
います。いうなれば日本の勅撰和歌集でありま
すね。
市ーいち・シ
今日一日幸運でありますように
誤字脱字ご容赦ください。
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店) 成語林(Obunsha)
新明解語源辞典(三省堂) ことわざ辞典(Gakken)
字訓:白川静著(平凡社)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新佛教辞典(誠信書房)
暮らしのことば 語源辞典(講談社)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編