精霊たちーペン画 トリミング | ザーアートマンのブログ

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ペン画の展示。絵のサイズはハガキ大です。定年後書き溜めた絵画をできれば毎日一枚展示していきます。

 

 

ことばの物語

  ≪いろんな人

 

「人さまざま」と言っても、人のうちであります。

最低が「鬼畜にも劣る人」で、最高が「仏さまのような人
であります。
お客様は神様です」と誰かが言ったが、本心は「御利
益=こりやく」、つまり「利益=りえき」をもたらす人と言う
ことであります。
仏さまは黙っていても苦しみから救ってくれますが、神
様には「よいしょ」が必要であります。
人の姿からいろんな意味の字ができています。その一
部ですが調べてみました。
 
中心から離れた人から「かたよる」
「扁=辺に通じ、中心にいない」に「人」で、中正でない
人の意味から、
一般にかたよるの意味。
偏枯(へんこ)
半身がしびれて自由でないこと。(半身不随)
これを「偏死」ともいい、なるほどと思わせるよくでき
た言葉ですね。
 
並みから離れた人から「えらい」
こちらは上に離れているんですね。
「韋=そむく・はなれる」の意味で、並みから離れてす
ぐれた人。
偉丈夫(いじょうぶ)
体が大きくてりっぱな男子。
 
かたわらにいる人から「よりそう」
「旁=かたわら」に「人」。
傍系(ぼうけい)
枝葉の血筋。直径から分かれた系統。
路傍の人
自分と関係ない道を歩いている人。
人間は時として、満たされるか、満たされないか、
わからんい欲望のために、一生を捧げてしまう。
その愚を笑う人は畢竟、人生に対する路傍の人
に過ぎない。」  (芥川龍之介)
 
わがままな人から「おごり・おごる」
「人」に「わがまま」で、おごる、あなどる、わがま
まの意味。
傲骨(ごうこつ)
高く構えて人に屈しない人。
李白(唐時代)は腰に傲骨があるので、人に屈する
ことができないと世人が評した故事による。
 
仏門に入った人
僧伽の略で、サンスクリット語の「サンガ」の音訳。
意味は「和合衆」で、衆を和合して仏道を修める団体
のこと。後に仏教に帰依して自ら修行し、これを広め
伝える者。
僧正(そうじょう)
僧の官位の第一位で、大僧正、僧正、権僧正(ごん
のそうじょう)の三段階がある。
ちなみに第二位は僧都(そうず)であります。
 
額に入れ墨がある人で「しもべ」
「辛=入れ墨をするための針」に「奴隷が供え物をす
るさま」に「下部に尾っぽを添えた象形」に「人」で、
何とも複雑な字であります。
意味は粗削りで作法を知らない下賤の者。
自分を指す「ぼく」は、謙譲として使われるものであ
ります。
トルストイは晩年、農奴解放に尽力しますが、貴族
出の彼は粗野な農民そのものは好きになれなかっ
たと。
 
心がかたよった人で「ひがむ」
「辟=わきへよる」で、人の性格がかたよる。
僻地(へきち)
中心から遠く離れた土地。
僻目(ひがめ)
誤った見方。
瞳がかたよった目、斜視。
 
とどまる人で「はべる」
「寺=止まるに通じ、たちどまる」で、目上の人の近く
にとどまって奉仕する人の意味。
和訓の「さむらい」の語源はは、伺候する意味の
「さぶらう」の名詞形から。
 
面をかぶって舞う人で「わざおぎ・やさしい」
「人が静々としなやかなしぐさをするさま」と「大きな
かしらをつけて足踏みする」との解釈がありました。
ちなみに「俳」も「わざおぎ」ですが、こちらは「非=そ
むくで、おどれたふるまい」。憂いを含む悲劇を演じ
る「優」と、おどけて喜劇を演じる「俳」。合わせて俳
優であります。
 
今日一日幸運でありますように 

 

2017.10掲載再考

 

                   誤字脱字ご容赦ください。

 

勉強の主な参考書

漢字源(学研) 漢語林(大修館書店) 成語林(Obunsha)
新明解語源辞典(三省堂) ことわざ辞典(Gakken)

字訓:白川静著(平凡社)

暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新佛教辞典(誠信書房)

暮らしのことば 語源辞典(講談社)

講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵

漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)

動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール

英米故事伝説辞典ー冨山書房

中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編