ことばの物語
≪ひとがしらー∧≫
ひとがしら
「ひと」が上部に置かれると「ひとがしら」という部首
になります。
また、人の形をした屋根というところから「ひとやね」
ともいわれます。
企ーくわだてる・キ
字の成り立ちは「人」に「止=足の象形」で、つま先
立ちで足をまっすぐに伸ばして遠くを望むの意味を
表します。(企画・企業)
介ーたすける・カイ
字の成り立ちは「鎧の中に入った人の象形」で、
よろい、くぎる、なかだちするの意味。
別の字書によると<「人」に「八印=両脇に分かれ
る」で、両側から中の物を守ることで、中に介在し
て両側をとりもつこと。>こちらが「たすける」に繋
がる解釈ですね。
介士(かいし)
鎧をつけて武装した兵士で、心のしっかりした節操
の硬い人物のこと。
介虫(かいちゅう)
甲羅のある生物。亀やカブトムシなど。
人体に寄生する虫は「回虫」と書きます。
【人間に関係ない「ひとがしら」】
倉ーくら・ソウ
この場合の「八」は「ふたを表した形」で、くらの
屋根を表す。
倉頡(そうけつ)
中国古代の伝説の人物で、鳥獣の足跡を見て初
めて文字を造ったという。
倉廩満ちて囹圄空(むな)し
米倉が満ちると牢獄がからっぽになる。
為政者は罪人を取り締まるよりも、民の生活を
豊かにすることに努力すべきである。(管子)
今ーいま・キン・コン
「△印=ふたで囲んで抑えたことを示す」に
「-印=取り押さえたものを示す」で、囲みとじて
抑えるの意味。
のがさずに捕らえて押さえている時間、目の前に
とり押さえた事態などを含む。
何とも謎解きのような解釈でありますね。
今昔の感
現在の身の上と過去の身の上を比べて、時世
や境遇の激しい移り変わりに対する驚きの感情。
会-あう・カイ
会のもと字は「會」で「△印=あわせる」に「集ま
る・ふえる」で、多くの人をより集めて話をする。
会心(かいしん)
心にかなうこと。気にいること。
「会心の笑み」「会心の作」、意外と間違いそうな
字ですね。
「回心」は、悔い改めることで、神の正しい教えに
心を向けることでありました。悪い心を改めること
は「改心」と書きます。
2017.10掲載再考
今日一日幸運でありますように
誤字脱字ご容赦ください。
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店) 成語林(Obunsha)
新明解語源辞典(三省堂) ことわざ辞典(Gakken)
字訓:白川静著(平凡社)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新佛教辞典(誠信書房)
暮らしのことば 語源辞典(講談社)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編