ことばの物語
≪あくびー欠伸≫
欠伸
「欠」そのものが「大きく口を開けた姿」で「あくび」。
欠伸は、「伸=背のび」で「あくびをして背伸びをす
る」ことであります。
「欠」は字書によると、人が口を開け体をくぼませ
かがんださまで、くぼむ、かけて足りないなどの意
を含む。
【欠の字義】
1.がっくりする=欠身(腹がくぼんでからだがまがる)
2.あくび=欠伸
3.かく、かける。かけてくぼむ、足りない。
【欠=口を開ける意味を含む字】
欣ーよろこぶ・キン・ゴン
「斤=物を細かに切る刃物」のことで、喜びのため
呼吸が小刻みになり
うきうきしてよろこぶの意味。想像力豊かな解釈で
すね。
別の字書によると「斤=刃物」とは関係ない」とあり、
「息を弾ませることをあらわす擬声語」とありました。
歓ーよろこぶ・カン
「雚」は「喚」に通じ、人が大声で呼び合うさまから
「よろこぶ」の意味。
欺ーあざむく・いつわる・ギ
「其」は期に通じ、期待したものが得れなくて開いた
口がふさがらないさま。
別の本によると、「大声でおどしつける」がもとの意
味で、大声で脅すのは相手をごまかそうとする下心
からで、のちに「あざむく」の意味が強くなったもの。
次ーつぐ・ジ・シ
「人が吐息をついているさま」で斉に通じ、順序良
くととのえる、つぎにつづくの意味。今少しすっきり
としませんね。
別の本を調べてみると、溜息をつくところから、途
中でつぎつぎと休息する意味となり、そこから
「やどる」意と共に「つぎ、ついで」の意味が発生した
と。なんとかため息に繋げていますね。
羨ーうらやむ・うらやましい・セン
「羊」に「氵+欠=口を開けた人のよだれ」で、羊の
御馳走を見てよだれを流す、うらやむの意味。たぶ
ん、子供が指をくわえて、ものほしそうににしている
姿から「これだ」と思ったのかもね。これが過ぎると
次の「盗み」に走ってしまうんでしょうね。
盗ーぬすむ・トウ
「よだれを流す」に「皿」で、皿の中の食べ物を見て
欲しくなるの意味から、ぬすむの意味。
歌ーうた・カ
「哥=うた」に「欠=口を開ける:」.で、口を大きく開け
てうたう。
漢字の用法(角川小辞典/武部良明)によると
【歌】は、
1.節をつけて言う言葉のうち、西洋式のもの。
2.日本古来の和歌、短歌、長歌なと。
【唄】は、節をつけて言う言葉のうち、日本式のもの。
(長唄・小唄・端唄・地唄・舟唄・馬子唄)
とありました。
2017.9掲載再考
今日一日幸運でありますように
誤字脱字ご容赦ください。
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店) 成語林(Obunsha)
新明解語源辞典(三省堂) ことわざ辞典(Gakken)
字訓:白川静著(平凡社)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新佛教辞典(誠信書房)
暮らしのことば 語源辞典(講談社)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編