ことばの物語
故事のある言葉
仏教からの言葉
〖一所懸命〗
いっしょけんめい
日常使われる「一生懸命=いっしょうけんめい」の語源
になったのが「一所懸命」であります。
「一所」ですから「一つ所=所領」であります。そこに
「命を懸ける」ということですね。
これは中世の武士が一族を養うために、所領を必死で
守るこで、その所領を「一所懸命の地」といいました。
近世になり、武家社会から町人主体の貨幣経済へと
変わるにつれ、「一所懸命」も「一生懸命」というように
変化しました。
このように
「一所懸命」は、生死を掛けるような差し迫った事態、
そのさまで、必死ということであります。
「一生懸命」も必死の意味ですが、何事とは特定せ
ず、ことごとに命がけで当たることで、一心に骨折る
こと、一途な気持ちになることであります。
「一生」は「一生涯」ということではなく、「生涯に一度
しかないほど重大」という意味に重点が移ったもの
でありました。
≪仏教語≫
〖曼殊沙華〗
まんじゅしゃげ
サンスクリット語の「マンジュシャカ」の漢音訳で
意味は「赤い花・葉に先立って赤て花を咲かせる」
という意味だそうです。
『法華経序品』では、釈迦が法華経を説いた際に
それを祝って天から降った四華の一つで、これを
見るものは自ずから悪行を離れるといわれます。
※四華・・・天から降るという四つの蓮の花で
白蓮華・大百蓮華・紅蓮華・大紅蓮華
といわれます。
日本では「彼岸花」のことを指します。
彼岸花は毒性があり、ネズミやモグラ、虫など
ら土葬の遺体や、作物を守るため墓場や畦に
多く植えられました。
多くの別称があり、その一部を。
彼岸花・・・彼岸に咲くところから。
死人花・幽霊花・地獄花
これらは墓場におおくあり、毒を持つところから
であります。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武
部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
中国名言集(一日一言) 井波律子著/岩波現代文庫
世界の神様解剖図鑑 平藤喜久子著/(株)エクスナレッジ
ブッタいのちの言葉/宮下真著・道元禅の言葉/境野勝悟・
一休禅の言葉/境野勝悟ー知的生きかた文庫
心が晴れる禅の言葉/赤根祥道た著・空海感動の人生学/
大栗道榮・親鸞感動の人生学/山崎龍明—中経の文庫