ことばの物語
≪卑屈ーひくつ≫
卑屈とは「気力がなくなく品性がいやしいこと」、つまり「心がいじけ
ている」こととあります。
卑屈になるかどうかは「品性」の問題というより、本人の心の持ち
方のようであります。
そこで、A・ビアス氏の『悪魔の辞典』をひもといてみます。
<卑屈とは財力、もしくは権力に直面したさいに示す美風ともいえ
る心構え。
使用人が雇い主に話しかける場合に特にお勧めする。>
いかがですか。心の持ちようですね?
卑しいを「品性」の高下と思っている人たちは、卑しい血とか貴い
血なんて言って、貴族なんてものを作り出しました。
【低い意味を表す卑のつく字】
俾-ヒ・ヘイ
身分の低い人。召使。
埤
低いかきねで、ひめがき。=陴(「阝=おか」で、低いおか、
ひめがき。)
婢
身分の低い女。はしため。男は「僕」であります。
脾
脾臓ですね。「月=肉」で、胃の左下にあって、白血球を作り、
老廃した赤血球を破壊する働きなどを含む。
碑ーいしぶみ・ヒ
歌碑などのように、低い立石の石文。
髀-もも・ヒ
骨格の中でも低い方にあるももの骨。
髀肉之嘆(ひにくのたん)
中国の三国時代。蜀の劉備が久しく馬に乗らなくなって、内ももの
肉が肥えてしまったことを嘆いた故事。
実力を発揮する機会がないことを嘆くたとえ。
心ねじれたやもめの皮肉の嘆にならないように心せねば。
屈ーかがむ・クツ・クチ
「尸=尾」に「出=くぼみの象形」で、くぼみに尾を曲げて入れる
さまから、かがむの意味。
「扌=手」が付くと「掘=ほる」で、腰をかがめて穴を掘るの意味で、
「土」がつくと「堀=ほり」で、これもほるの意味を持ちます。手で
掘る、土を掘るでありますね。
「穴」が上につくと「窟=いわや」で、身をかがめて入る洞穴。
「人」が付くと「倔=つよい」で、
倔起というと、卑しい身分から身を起こすことをいうとありました。
屈強なども「つよい」の意味を持ちますね。
強くなるためには、一度は屈まないとならないのであります。
今日一日幸運でありますように
誤字脱字ご容赦ください。
2016.9掲載再考
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店) 成語林(Obunsha)
新明解語源辞典(三省堂) ことわざ辞典(Gakken)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新佛教辞典(誠信書房)
暮らしのことば 語源辞典(講談社)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
部首ときあかし辞典(研究社)
A・ビアス『悪魔の字典』(角川文庫)
これは使える!スピーチ引用名言辞典 モーリス・マルー編 PHP文庫)
ウキィディペディア (読み物としても面白いですね
